2016.06.03 10:27 更新
2016.06.03 取材
Cooler Master Technology(本社:台湾)ブースレポートの第1弾に、「MasterBox Series」計4機種をご紹介した。「Elite Series」に置き換わるエントリーPCケースだったが、今回は本線となるミドルタワーPCケース「MasterCase Series」のプロトタイプをチェックしてみたい。
Cooler Masterが新たに立ち上げた「MasterCase Series」。「FreeForm™モジュラーシステム」と名付けられた試みは、豊富にオプションパーツを用意。好みのスタイルで内部設計が変更できる、カスタマイズ性を最大の特徴とする。
そのお披露目は、ちょうど1年前の「COMPUTEX TAIPEI 2015」だった。そして9月には都内で発表会を開催。翌10月にはエルミタ的速攻撮って出しレビューをお届けしている。「CM 690 Series」と並ぶ看板モデルとしての期待値が高い中、それを裏切らない秀作に仕上げられていた。
一方で「MasterCase 5」以降、しばらくバリエーションモデルが投入されていない。この事から「MasterCase」の行く末を案じる古くからのCooler Masterファンもいたはずだ。
しかし今回のCooler Masterブースでは、計5種類の新型「MasterCase」を投入。やや歩みは遅いものの、着実に計画は進行している事が分かった。ここでは一部試作段階を含みながら、待望の新作5機種をやや駆け足でご覧に入れよう。
「MasterCase 5」に似た「MasterCase 5T」は、内部パネルや拡張スロット部をレッドに塗装。GTカーさながら、スピード感のあるデザインが特徴だ。またフロント上部は六角形にカットされ、断面もレッドに塗装。スイッチ&アクセスポートパネルがレイアウトされていた。
さらにボディトップ中央にはハンドルを用意。握りやすくえぐられたトップパネルは通気孔仕様で、重量級のPCを容易に移動させる事ができるようになっている。
もっともボディが大きい「MasterCase 7」は、あらゆるフォームファクタに対応する、フルタワーPCケース。広大な内部構造から、大型構成パーツも楽に飲み込んでしまう。また左サイドパネルはアクリル窓を用意。さらに評価サンプルで装着されていた、強化ガラスもオプション品として販売されるという。
なおトップパネルは中央から背面にかけて取り外しが可能。六角形にカットされた開口部にはスイッチ&アクセスポートを備え、各ポートの”役割”を記すイルミネーションが内蔵されている。
今回、異彩を放ったのは「MasterCase 6」だ。密閉型デザインを基本コンセプトに、トップカバーが”ズレる”という一風変わったギミックを用意。その隙間から内蔵されたLEDの発光が楽しめるというもの。全く実用性はないものの、不要であれば閉じっぱなしでいい。
最大のトピックはここからで、背面を見るとなんと一面にわたりゴムラバーが貼り付けられている。ハニカム状をベースに網のようになっており、ゴチャゴチャする背面の景観をカモフラージュしているのだ。なお網目の要所にスリットが設けられており、ケーブル類がを通す事ができる。密閉しない事で通気性も確保できる、さしずめ「アイデア目隠し」といったところだ。
“パタパタ開きたい”のは、「MasterCase 4」。デザインは「MasterCase 6」にソックリだが、「4」はフロント開閉ドアを採用。内部フロントパネルはメッシュ仕様で、5.25インチオープンベイらしきものも確認できる。さらにトップパネルのフロント寄りには、こちらも開閉ドアを装備。内部にはアクセスポート類が隠されていた。
外観上、「MasterCase 5」の雰囲気をそのままに小型化された、MicroATX対応ミニタワー。標準で左サイドパネルには大型のアクリル窓が付く。内部は上下2層に分かれ、2枚の床を有効活用。上段には2.5インチドライブベイを2つ、下段には電源ユニット搭載エリアと、ケージタイプの3.5インチシャドウベイが用意される。
またフロントパネル裏面の様子から、ラジエターの搭載が想定された設計である事が分かる。「Centurion 540」など往年のミニタワーに次ぐヒット作になる雰囲気がある。
文: GDM編集部 松枝 清顕
Cooler Master Technology: http://www.coolermaster.com/