2016.06.06 17:32 更新
2016.06.06 取材
PowerColorブランドを展開するTUL Corporation(本社:台湾)ブースで展示された、現在まだ構想段階というオールインワン水冷「LCS」をチェックしよう。実現すれば同社初となる水冷システム単体の製品化、何やらCPUも巻き込んだ大がかりなものが計画されているようだ。
PowerColorがコンセプトモデルとして持ち込んでいた、オールインワン水冷の「LCS」。同社初となるGPU向け水冷システムに加え、CPU向け水冷が一体化した大がかりな機構を計画している |
「LCS(Liquid Cooling Solution)」という、そのものスバリなネーミングで展示されていたのは、PowerColorが製品化を目論んでいるオールインワン水冷。ただし現時点では仕様を含めまったく未定とのこと、あくまで構想段階のコンセプトモデルというワケだ。
これまでも水冷仕様のグラフィックスカードを手がけてきた同社だが、水冷システム自体の製品化となれば初めてのこと。しかもGPU用のウォーターブロック単体を売るのではなく、CPU向け水冷と一体化した、大がかりなオールインワンシステムとして売り出すつもりらしい。
カバーにPowerColorロゴが配置された、GPU用ウォーターブロック。中央にチューブを通した、特異なデザインが採用されている |
PowerColorだけにAMD系向けと思われるが、担当者いわく「現行想定できるGPUはすべて冷却できる」という冷却性能をもつとのこと。GPU用のウォーターブロックもかなりゴツいものが展示されていた。
なおCPU用のウォーターブロックとラジエターについては、Deepcoolの「CAPTAIN EX」シリーズを連結。実際に製品化となればどのブランドとタッグを組むかは不明なものの、あくまで「CPUとGPUをまとめて冷却できるオールインワンシステム」がキーワードとなる。
こちらはデュアルGPU用モデルとして計画されているモデル。先ほどのオールインワンとは異なり、カスタムDIYへの組込みが想定されているようだ |
そのほか、コンセプト水冷の別パターンとして、デュアルGPU搭載カードに対応するシステムも展示されていた。こちらは“ポン付け”のオールインワンではなく、DIY水冷のカスタムパーツ一式が付随するスターターキット的なパッケージになる模様。CPU向けソリューションと一体で提供されるのかは不明だが、展示サンプルはすでにかなりの完成度に達していた。
近い将来の製品化は難しいかもしれないが、案外来年のCOMPUTEXにてさらなるブラッシュアップを経たコンセプトモデルが登場するかもしれない。
リザーバータンクなど一式を揃えた本格的な仕様で、これらがスターターキットのようにまとめて提供されるとか。ウォーターブロック自体の完成度はかなり高いようだが、製品化の時期や実現性など、すべてが未定となっている | |
コンセプト水冷と並ぶ注目アイテムが、ノートPCにグラフィックスカードを増設できる外付けボックスの「DEVIL BOX」だ |
また、PowerColorブースの一角には、先般リリース済みの外付けグラフィックスボックス「DEVIL BOX」が展示されていた。製品仕様はこちらを参照していただくとして、想定売価が担当者からポロリ。正確なところは未定としながらも、「約500ドルの『Razer Core』よりは、確実に安価な価格に設定したい」とのこと。こちらも続報を待ちたい。
(Nangang Booth No. Exhibition Hall 6F#609)
文: GDM編集部 絵踏 一
TUL(PowerColor): http://www.powercolor.com/