2016.06.08 01:46 更新
2016.06.08 取材
今年のCOMPUTEX TAIPEIで注目のアイテムと言えば、オリジナル仕様のPascal搭載グラフィックスカードだろう。一方で新SLIブリッジ「High Bandwidth SLI Bridge」については、グラフィックスカードおよびマザーボードベンダー共に、ほとんどのメーカーが静観している状態。そこでメーカー担当者や代理店関係者に、気になる現状について聞いてみることにした。
オリジナル版Pascalグラフィックスカードの開発が順調に進む一方で、「SLI HB」の入手性については当面厳しい状況が続きそうだ |
今年のCOMPUTEX TAIPEIで注目のアイテムの1つと言えば、間違いなくオリジナル仕様のPascal搭載グラフィックスカードだ。多くのメーカーで、独自基板およびクーラーを採用したチューニングモデルを用意し、今後の展開にも期待がかかる。一方で新SLIブリッジ「High Bandwidth SLI Bridge」(SLI HB)については、グラフィックスカードおよびマザーボードベンダー共に、そのほとんどがスルー状態だ。
COMPUTEX TAIPEI 2013でプロトタイプモデルをお披露目するなど、旧ブリッジでもオリジナルモデルの取り組みが早かったEVGA。エアフローを重視するユーザーのためにも複数バージョンを準備しているとのこと |
これはNVIDIAによる「SLI HB」の割当数が極端に少ないことが原因のようだ。ある程度まとまった数が割り当てられているグラフィックスカードメーカーはごく僅か。マザーボードメーカーに至っては、ほとんど割り当てがないらしい。これまでのように、SLIブリッジがマザーボードに同梱されるようになるには、かなりの時間が掛かりそうだ。
「GAMING SLI Bridge」シリーズを展開するMSIも比較的準備は順調のようだ。ただし、はじめから複数モデルを用意できるかは現状未定 |
またすべてのグラフィックスカードへの同梱も現状では難しいらしく、ハイエンドモデルにのみ同梱するところや、GALAXのように2枚購入した場合のサービス特典として配布を検討しているメーカーもあった。
PascalのSLI環境でパフォーマンスを最大限引き出すには「SLI HB」が必要と謳われている |
従来のフレキシブルタイプからソリッドタイプに変更。マザーボードのスロット構成によって、異なるブリッジが必要になるなど、これまで以上に需要が増えることが予想される「SLI HB」。未だPascalグラフィックスカード自体の入手性が悪いこと、さらに既存のSLIブリッジでも(シングルリンクという制限はあるものの)SLIが構築できることから、当面は大きな問題にならないだろうという声もある。NVIDIAにはなるべく早い段階での入手性の改善を望みたい。
文: GDM編集部 池西 樹
COMPUTEX TAIPEI 2016: https://www.computextaipei.com.tw/