2016.07.07 01:03 更新
2016.07.07 取材
アルミ削り出しの高級スマートフォンケースで知られているギルドデザインは、近く発売予定の新プロダクト「ジュラルミン削り出し名刺ケース」を用意していた。単なるカッコいいジュラルミンのケースだと思ったら大間違い、使い心地の良さを追求した職人の深いこだわりに脱帽だ。
アルミ削り出しの高級スマホケースでお馴染み、ギルドデザインの新製品は名刺ケース。スマホケースのノウハウを活かしつつ、新機軸を導入した意欲作だ |
高精度な造形と確かな耐久性が高い評価を受けている、アルミ削り出しのスマートフォンケースはギルドデザインの看板商品。今回ISOTにて初披露された「ジュラルミン削り出し名刺ケース」は、そのノウハウを活かして製造された高級名刺ケースだ。
素材には従来通り古河スカイ製のA2017材を使用し、高精度マシニングセンターによる削り出しで製造。ただしケースを構成する上下パーツは単なるかみ合わせではなく、名刺ケースでは世界初という「リニアモーションガイド」が採用されている。
これはガイドの支持部分に米粒よりも小さな極小ベアリングを内蔵し、それによる直動駆動で極上のなめらかさを追求した機構。ケースを閉じた際も小気味よくパチリと止まる仕様だ。
なめらかな開閉動作の秘密は、米粒と比べてもさらに小さい極小のベアリング。あまりに小さいため、組み付けは職人がピンセットと顕微鏡で行うという高級パーツなのだ |
このベアリングは、NSKマイクロプレシジョン株式会社が供給する世界最小クラスのもの。熟練の職人でも1個を組み立てるのに1分を要するとのことで、なんと単体で購入しようと思えば数千円はするという代物だ。
そのベアリングを合計4つ内蔵するという贅沢な仕様ながら、大量発注によりケース自体の価格はスマートフォンケースとほぼ同等に収めた。ちなみにメーカーに発注した際は、「いったいそんなにたくさんの(しかも面倒な)ベアリングを何に使うのか」と渋い顔をされたとか。
上下パーツのかみ合わせだった従来品から、使い心地が大きく改善。内部に2対合計4基のベアリングが内蔵され、なめらかなスライド動作を支えている | |
そしてなめらかなのは、名刺の取り出しも然り。3D切削加工を施した絶妙傾斜により、指をすべらせるだけでスムーズに取り出せる |
また開閉動作だけでなく、名刺の出し入れのなめらかさにもこだわった。取り出し口に3D切削加工の絶妙な傾斜を設けることにより、名刺に指をすべらせるだけで“シュパッ”とスムーズに取り出すことができる。
さらに優れた加工のおかげで、もらった名刺は取り出し口のガイド部分にすべらせるだけで、一番下にスンナリ送り込むことができる仕組み。あらゆる方向で、名刺ケースとしての機能性を重視した設計になっている。
ラインナップは3タイプで、8月の半ばには発売予定。こちらはスマホケースの背面パーツでも人気の高い、市松模様のモデルだ |
製品は8月半ばには出荷が開始される予定で、市松模様の「市松Ichimatsu」とヘアライン仕上げの「Vertical」が税込9,720円、最もピュアな仕様という「Solid」が税込9,180円。
なお、耐久性の高さもスマートフォンケース譲りで、担当者いわく「トラックに轢かれでもしない限りは壊れない」とのこと。10年や20年といった長期に渡って愛用することを想定、ベアリングのメンテナンスやアルマイト処理面の再処理といった、オーバーホールのサービスも提供される。
市松模様とヘアライン仕上げのモデルは税込9,720円、ピュアな仕上がりの「Solid」のみ税込9,180円となる |
文: GDM編集部 絵踏 一
有限会社ギルドデザイン: http://www.gilddesign.com/