2016.07.07 11:38 更新
2016.07.07 取材
ISOT会場には、伝統的な文房具である筆系のプロダクトも複数出展されていた。特に馬印が実現したホワイトボード用書道セット「筆タッチ」や、墨運堂が持ち込んだ装着型の「ゆび筆」は必見だ。
通りがかった業界関係者多数が感触を試していた、ホワイトボード用書道セットの「筆タッチ」。実は墨とホワイトボードは相性が最悪で、直接毛筆で書き込むことが極めて難しかった |
学校用チョークや黒板、ホワイトボードのメーカーとして著名な株式会社馬印は、「筆タッチ」の展示で賑わっていた。これまで困難だったホワイトボードへの書き込みを可能にした、専用の書道セットだ。
元来半紙に染み込ませることを想定した墨はすべりのあるホワイトボードと相性が悪く、文字がのらず液だれするなど、およそ組み合わせて使うものではなかった。そこで新たに粘りのある特殊な専用インクを開発することで、毛筆を使ったホワイトボードへの書き込みを実現。筆を使った案内書きや、書道の指導といった使い方を想定しているという。
性格の違う書道とホワイトボードを結びつけたアイテムで、そのキモは特殊な専用インク。今回のISOTにおいてその機能が評価され、日本文具大賞の機能部門優秀賞を獲得している | |
通常のホワイトボードへの書き込みと同様に、一般的なイレイザーで消すことができる |
専用インクは20~30秒で完全に乾燥する速乾性で、乾燥後は通常のホワイトボード用イレイザーで消すことができる。製品は専用インクと筆に加えて、ホワイトボードの粉受け部分にピッタリ収まるパレット付きだ。価格はオープンプライス。
ちなみに同社では、墨だけでなくカラータイプのインクも開発中。ブースでは画家の先生が、これまた参考出展されていたSHOT NOTEコラボの「デジアナボード(ヨコ)」に風景画を描いていた |
指に直接装着して使える、墨運堂の「ゆび筆」は素直に楽しい筆系プロダクト。指で書く感覚で筆を扱える、新感覚のアイテムだ |
指先に装着する「ゆび筆」で新しい筆の楽しさを提案していたのは、墨・書画用品のメーカー株式会社墨運堂。まるで指で書くような感覚で毛筆を扱える製品で、自由かつ直感的な書き味が楽しめる。「子供が曇りガラスに指で落書きをしている姿に着想を得た」という話は、なるほど納得だ。
筆サイズは3種類、指部分のソケットは2種類をラインナップ。自由に組み合わせて使用できる。数々のワークショップへの採用実績もあるとのこと、難しいことを考えずダイナミックに筆で遊ぶような使い方に向いている。
メーカーいわく直感型文具で、子供や大人、障害者からお年寄りまで楽しめるのがコンセプト。思い切って5本指に装着して、ダイナミックに描くスタイルもあり? |
文: GDM編集部 絵踏 一
株式会社馬印: http://www.uma-jirushi.co.jp/
株式会社墨運堂: http://www.boku-undo.co.jp/