2016.09.25 00:01 更新
2016.09.24 取材
国内の著名Modderをはじめ、各種メーカーや自作ユーザーが独自カスタマイズを施したPCを発表する改造PCイベント「MOD PC EXPO 2016」が、2016年9月24日(土)に開催された。昨年よりさらにパワーアップした個性的なPCの数々を紹介しよう。
今年で2回目を迎えるツクモ主催の改造(MOD)PCイベント「MOD PC EXPO 2016」が24日(土)、新橋にある「ツクモデジタル.ライフ館」特設会場で開催された。会場には門馬 ファビオ氏やRonnie Hara氏などの著名Modderに加え、各メーカーや一般参加者が思い思いに改造したPCをズラリ展示。さらにトークセッションでは、製品のコンセプトや開発時の苦労などを語った。
あいにくの空模様にも関わらず、熱心な自作派が多数来場。立ち見もでる盛況ぶりだった |
さらにイベント終了後は展示スペースに場所を移し、Modder同士による意見交換や、製作者に改造の手法や使用しているパーツについて聞いている熱心な自作派も数多く見られた。
国内では珍しいMOD PCイベントということで、展示しているPCを前にModder同士で意見交換する姿も見られた |
今回のイベントで、その完成度の高さから一際注目を集めていたのがRonnie Hara氏が手がける“Skyline PC”だ。同氏は2013年にこの“Skyline PC”でbit-techのMOD PCコンテストで優勝。しかしこの時の作品はメーカーが移動中、誤って落下するというトラブルに見舞われ、完全に”破壊状態”になってしまったという。
今回のイベントに合わせて約1ヶ月間ほどで組み上げた“Skyline PC”。マザーボードにもブルーヒートシンク採用モデルが実装され、統一感のあるデザインだ |
そこで、イベントに合わせて最新パーツを組み込み復活させたものが今回の作品。ケースには「COSMOS II」を採用し、ブルーとシルバーに塗装。また内部はエンジンをモチーフにしたメタルパイプの水冷キットが実装される他、レーザー加工やオークションで落札したというロゴも随所にあしらわれている。
左サイドパネルには取り外しができる肉厚のアクリルパネルを採用 |
もちろんこれらの内部構造が見えるよう、サイドパネルも肉厚アクリルパネルで自作。着脱機構も備え、展示用と実用性を兼ね備えた仕上がりだ。
また「2016 Thermaltake CaseMOD Invitational Season1」のエントリー作品であるアントマンをモチーフにしたケースや、昨年の「COMPUTEX TAIPEI 2015」で話題を呼んだ電動開閉式PCケースIn Win「H-Tower」をベースにしたモデルなども展示された。
アントマンをモチーフにしたケース。GeForce GTX 980を2枚搭載しているため、グラフィックスカードの水冷化では冷却が足りず空冷のまま使用しているとのこと | |
In Win「H-Tower」をベースにしたモデル。ケースには一切手を加えておらず、PCのみ水冷化している |
門馬ファビオ氏(右)は実兄である門馬マルコス氏(左)と参加。マルコス氏は完全なMOD PC初心者とのこと |
門馬ファビオ氏は、MOD PC初心者である実兄門馬マルコス氏との合作モデル“Maleficent PC”を展示。基本ファビオ氏は作り方のレクチャーのみ。制作はマルコス氏が行っていると言うことで、MOD PC初心者でもここまでできることを示した意欲作と言えるだろう。同氏によれば、DIY水冷やLEDライティングなど、MOD PCを作成するための環境も整ってきたことから、まずは簡単なところから気軽に初めてみるのがいいだろうとのこと。
ハードチューブの曲げはシンプルな90°曲げのみ(一部緩やかにカーブしている箇所あり)。あとはLEDファンやUV冷媒液、UVライトなどを組み合わせることで初心者でも簡単にMOD PCが作成できる |
また先週の「CFD PC DIY フェス2016」でお披露目された“X99 Taichi Special MOD PC”も展示。トークセッションでは、実は設計書はわずか1枚のみ、その割に制限や要望が多く、制作は非常に難航したという開発秘話を語った。
ASRockから送られてきた設計書(右)。マザーボードは倒立配置のため、トレイ部はリベットを外してを逆さまに付け直したという | |
普段は目につかない背面部分の配線も延長ケーブルを使い美しく行われている |
今回のイベントでは、メーカーとしてFractal DesignとGIGABYTEが出展。またオーバークロッカー清水氏が発売を検討しているという、小型ハイパフォーマンスPCを展示していたのでまとめて紹介しよう。
最後に会場に展示された一般参加者のカスタムPCをまとめて紹介していこう。今年の作品は昨年のイベントにも増して、いずれも力作ぞろい。ただ、出展者の顔ぶれがほぼ同じなのは少々気になるところ。来年以降新たな参加者を獲得できるかがポイントになりそうだ。
文: GDM編集部 池西 樹
ツクモ: http://www.tsukumo.co.jp/