2016.11.10 21:56 更新
2016.11.10 取材
株式会社アイ・オー・データ機器(本社:石川県金沢市)は2016年11月10日、東京・秋葉原でプレス向け新製品発表会を開催。新ブランド「PLANT」の立ち上げおよび、その第1弾製品として無線LANルーター「WNPR2600G」などを発表した。
新ブランドの解説を担当した事業戦略本部 企画開発部 副部長 平林朗氏によると、現在のアイ・オー・データ機器では、万人受けする“手堅い”ラインナップが中心で、先進的な技術やトレンドを反映した製品が少なくなってしまったという。この反省を生かし、新しい技術やトレンド、さらにニッチな要望を積極的に取り入れるブランドとしてこのほど「PLANT」を立ち上げたという。
「PLANT」ブランドの解説を担当したのは事業戦略本部 企画開発部 副部長 平林朗 氏 |
またその第1弾として、無線LAN製品を選択した理由については、IEEE 802.11ac対応製品が増え、ルーターや子機の買い替え需要が増加していること。さらにMU-MIMOや、4×4アンテナ、ビームフォーミングなどの高速化技術に対応する製品が未だ少ないことを挙げ、いち早くこの分野に参加することで存在感をアピールしたい狙いがある。
無線LANルーターの販売状況は横ばいながらIEEE 802.11ac対応製品は堅調。またMU-MIMOや4×4アンテナなど、高スループットモデルがまだ少ないことから、今回投入を決めたとのこと |
なお同社では「PLANT」ブランドのカテゴリを限定するつもりはなく、今後さらにラインナップを拡充予定。また国内設計による高信頼性や、土日サポート、ペイバック対応など、これまで評価されてきた品質・サポート面に関しては継承するとしている。
「PLANT」ブランドの無線LANルーターではフラッグシップとなる「WNPR2600G」 |
MU-MIMOとビームフォーミングに対応する、高性能無線LANルーターは計3モデルがラインナップ。その中でも最上位となるのが、5GHz帯と2.4GHz帯それぞれ4本ずつのアンテナを備える「WNPR2600G」だ。転送速度は5GHz帯が1,733Mbps、2.4GHz帯が800Mbpsで、最大4台までなら転送速度の低下なく同時通信が可能。
有線LANポートはWAN、LANともギガビットに対応するため、光回線との組み合わせに向く |
さらに有線ポート(WAN×1、LAN×4)はすべてギガビットに対応するため、光回線でも転送速度の低下なく使用することができる。外形寸法はW109×D87×H200mm、重量240g。発売は11月下旬予定で、市場想定売価は税抜13,800円。
ギガビットに対応する2×2モデル「WNPR1167G」。今回発表されたルーターの中では唯一横置きに対応する |
5GHz帯と2.4GHz帯それぞれ2本ずつのアンテナを備える下位モデルは「WNPR1167G」と、「WNPR1167F」の2モデル展開。いずれも転送速度は5GHz帯が867Mbps、2.4GHz帯が300Mbpsで、最大2台までの同時通信が可能だ。
有線LANが100Base-Tまでに制限される「WNPR1167F」 |
「WNPR1167G」は、ギガビット対応の有線ポート(WAN×1、LAN×3)を備え、外形寸法がW103×D55×H141mm、重量170g。年内発売予定で価格は未定。
「WNPR1167G」は100Base-T対応の有線ポート(WAN×1、LAN×4)を備え、外形寸法はW109×D87×H200mm、重量240g。発売は11月下旬予定で市場想定売価は税抜5,980円。
MU-MIMO非対応の3×3無線LANルーター「WNPR1750G」 |
「WNPR1750G」は、MU-MIMO非対応の無線LANルーター。アンテナは5GHz帯と2.4GHz帯それぞれ3本ずつで、転送速度は5GHz帯が1,300Mbps、2.4GHz帯が450Mbps。有線ポート(WAN×1、LAN×4)はギガビットに対応する。外形寸法はW109×D87×H200mm、重量240g。発売は11月下旬予定で、市場想定売価は税抜8,800円。
2×2対応の無線LAN子機「WNPU1167」。マイクロサイズのため、ノートPCにつけっぱなしでも邪魔になることはない |
「WNPU1167」は、IEEE 802.11ac無線LAN子機としては初となる2×2対応マイクロサイズモデル。こちらもMU-MIMOとビームフォーミングに対応し、転送速度は5GHz帯が867Mbps、2.4GHz帯が300Mbps。外形寸法はW15×D20×H7mm、重量約2.4g。発売は年内予定で、価格は未定。
IEEE 802.11ac無線LAN子機とBluetooth 4.0機能に対応する「WNPU853B」。オールドPCのアップグレードに良さそうだ |
「WNPU853B」は、IEEE 802.11ac無線LAN子機とBluetooth 4.0に対応するコンボモデル。無線LANの転送速度は5GHz帯が433Mbps、2.4GHz帯が150Mbps。外形寸法はW23×D50×H11mm、重量約10g。発売は年内予定で、価格は未定。
アイ・オー・データでは初のドライブレスNASも展示。こちらも順調なら年内には発売されるとのこと |
無線LAN関連以外の製品として準備中なのが、同社初となる「ドライブレスNAS」(仮称)。「HDL2-AA」シリーズをベースにしたモデルで、ユーザーが好みのHDDを自由に選択して使用することができる。なお動作確認済みHDDについてはWebサイトで随時情報を公開していく予定とのこと。
「Wi-Fi混雑チェッカー」をベースに開発されたスマホアプリ「Wi-Fiミレル」。一部制限はあるもののiOSでも使用できる |
発表会ではWi-Fiの電波強度を計測できるスマホアプリ「Wi-Fiミレル」も同時発表された。
もともとAndroid向けに提供されていた「Wi-Fi混雑チェッカー」をベースにしたアプリで、接続中のWi-Fi電波強度を確認する「電波強度チェック」、チャンネルごとの混雑状況を確認する「混雑状況確認」に加え、室内の電波強度を計測して視覚的に把握できる「ヒートマップ作成」機能が新たに追加された。
接続中のWi-Fi電波強度や、チャンネルごとの混雑状況を確認できる |
またOSもAndroidに加え、iOSに対応。それぞれ、Google Playまたは、App Storeでダウンロードできる。なおアイ・オー・データ製ルーター以外でも使用できるので、試してみるといいだろう。
新機能として、室内の電波強度を計測して視覚的に把握できる「ヒートマップ作成」機能が追加された |
文: GDM編集部 池西 樹
株式会社アイ・オー・データ機器: http://www.iodata.jp/