2017.02.11 00:01 更新
2017.02.11 取材
ROSSO(赤)とNERO(黒)を纏ったスタイリッシュなケーブルを作る、エスエスエーサービスとはオレたちのこと。密かにサプライ業界の天下を狙う、アキバのケーブル屋さんがケーブルの魅力を解説する新コーナー「はじめてのケーブル道」が今日からスタート。身近だけど意外に知らない、奥深いケーブルの世界を“その道のプロ”がご案内します。まず第1回は、誰もが1本は持っていそうな「急速充電ケーブル」のお話から始めましょうか。
どうもこんにちは、ROSSO(赤)とNERO(黒)のカッコいいケーブルでアキバでもお馴染み、エスエスエーサービスの担当Tと申します。毎日使っているけれど、意外に知らないことが多いケーブルの世界。ケーブルにまつわる“よもやま話”を語るこのコーナーにて、ケーブルの新しい面白さと隠れた魅力をお伝えしていきましょう!
アキバの店頭やAmazonなどで、この赤黒ケーブルを見かける機会も多いハズ。いわく「ROSSO(赤)とNERO(黒)を基調としたケーブルを提案する」エスエスエーサービスが、ケーブルの意外な秘密や隠れた機能を解説します |
まず最初は、最近すっかりお馴染みになった「急速充電ケーブル」についてのお話から始めようと思います。スマホをはじめ近頃の携帯端末はとても高性能になりましたが、ガラケーのような旧型端末に比べて消費電力もかなり増えてしまいました。それにつれてバッテリー容量もどんどん大きくなっていきましたので、デカいバッテリーをこれまで通りの時間で充電しよう、と始まったのが急速充電です。もっとも最近はバッテリー容量も頭打ちになっていますから、そこからどれだけ早く満充電に持っていけるか、というのが現在の勝負どころと言えるでしょう。
急速充電に対応した機器も今やスマホやタブレットだけでなく、モバイルバッテリーやモバイルルーター、携帯ゲーム機、さらにLEDライトや電子タバコに至るまで。身の回りのガジェットで縁のないデバイスを探す方が大変なくらいです。そう、急速充電って結構身近な存在なんですよ。
2.4A対応の充電専用ケーブル「SU2-MC15R」(15cm)。同社のケーブルでも最も低抵抗なモデルだ | 珍しい2.4A対応の二股ケーブル「SU2-MC80X2」(80cm)。ガジェットの複数台持ちに最適 |
すっかり前置きが長くなってしまいました。そもそもUSBの充電規格はUSB2.0なら5V/500mAh、USB3.0なら5V/900mAhで制御されているワケですが、“急速充電”というのはいったい何がどうなっているのか。基本的には、各種何らかの方法で規格以上の電力を供給したり、あるいはケーブルの抵抗値を低くすることで、充電時間を短縮しているんです。
ケーブルの抵抗というと分かりにくいですが、幅が広い道路(低抵抗)ならたくさんの車(大電力)が通れて、逆に狭い道路(高抵抗)だと渋滞してしまう・・・と考えるとちょっとだけ簡単でしょうか。その場合通れない車(余剰電力)は脇道にそれてしまう(熱として放出される)ワケで、充電中のケーブルが熱くなっているような時がソレです。これはスペック以上の電力が流れている状態なので、ちゃんと急速充電に対応したケーブルを用意する必要があるということですね。
2.4A対応の巻き取り式ケーブル「SU2-MCR70R」(70cm)。ラットリールケーブル採用で持ち運びに便利 |
そして急速充電の規格(“何らかの方法”の場合)については、名前を挙げるだけで苦労するくらいたくさんありますが・・・実際は大きくいくつかの形式に分けることができます。有名どころだと、従来のUSB充電を拡張した「USB BC (USB Battery Charge)」、最近よく耳にするようになったQualcommの「QuickCharge」、iPhoneやiPadなどアップルの独自方式、さらに一部モバイルバッテリーなどが採用している「PowerIQ」などなど。次回からは、対応機種の多いこれらの規格について、もう少し掘り下げてお話しましょう。
低抵抗なケーブル以外にも、何らかの方法でUSB規格を超える電力を供給する方式が複数存在する。近頃対応機種も増えている、Qualcommの「QuickCharge」はその代表格か |
ちなみに最近はいろいろなメーカーが独自の急速充電にチャレンジしていて、個人的にも気になる規格が続々登場しています。中国OnePlusの「Dash Charge」(5V/4A)やMotorolaの「Turbo Power」(9V/1.67A)、Huaweiの「Smart Power」(9V/2A)あたりは、それぞれアプローチも違っていて興味深いですね。そのおかげで純正ケーブルでないと機能しなかったり、詳細が公開されない場合がほとんどなんですが・・・自分の端末がどんな充電方式に対応しているのか、この機会に調べてみてはいかがでしょう。それでは次回も「はじめてのケーブル道」をお楽しみに!
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
株式会社エスエスエーサービス: http://ssa.main.jp/