2017.06.01 03:59 更新
2017.06.01 取材
ASRock Incorporation(本社:台湾)は、「COMPUTEX TAIPEI 2017」に合わせ毎年恒例のプレス向けカンファレンス「GLOBAL PRESS CONFERENCE」を開催。Intelの新プラットフォームLGA2066に対応する「ASRock X299」シリーズを正式披露した。
今回発表された「ASRock X299」シリーズの中で、一際異彩を放つのがMini-ITXフォームファクタに対応する「X299E-ITX/AC」だ。以前詳細検証を行った「X99E-ITX/ac」の正統後継に位置づけられる製品で、CPUソケットをNarrow-ILMから標準ソケットに変更したことでクーラーの制限が大幅に緩和している。
CPUソケットにNarrow-ILMを使用する「X99E-ITX/ac」では、付属のCPUクーラー以外はサーバー用を使う必要があった |
また省スペースなDDR4-SODIMMを採用し、メモリスロットを2本から4本に拡張。これによりMini-ITXマザーボードながらクアッドチャネル動作が可能となる。さらにチップやポートの一部は2枚のドーターボードに分散して配置され、拡張スロットを除けばミドルレンジクラスのATXマザーボードとなんら遜色ない拡張性を実現しているワケだ。
各種ポート・スロットやコントローラを2枚のドータカードに配置 | |
基板裏面にも「Ultra M.2」スロットを2基備える |
主なスペックは電源回路が7フェーズ、メモリクロックが4,266MHzで、ストレージは「Turbo M.2」×3とSATA3.0(6Gbps)を搭載。ネットワークはギガビットLAN(Intel I219V/I211AT)、IEEE 802.11ac無線LAN、Bluetooth4.2で、USB3.1はType-A/Type-Cを各1基搭載する。なおこちらの発売は順調なら8月中予定で、価格については未定とのこと。
この他にも、会場には計5モデルの「ASRock X299」マザーボードが展示されていた。ここではそれらの製品について簡単に紹介していこう。
まずシリーズ最上位に位置づけられるのがゲーミング向け「Fatal1ty X299 Gaming i9」だ。AQUANTIAの10ギガビットLANや、36Wの給電に対応するフロントパネル用のUSB3.1 Type-Cヘッダなど最新インターフェイスを実装。さらに「Dr.MOS」による13フェーズの電源回路や、独自BCLKエンジン「Hyper BCLK Engine III」、Intel製IEEE 802.11ac無線LANとデュアルギガビットLANなどを備える。市場想定売価は399ドルで、Skylake-Xの解禁とほぼ同時に発売が開始される予定だ。
Fatal1ty X299 Gaming i9 |
「X299 Taichi」は、コストパフォーマンスに優れるハイエンドモデル。「Fatal1ty X299 Gaming i9」との大きな違いは、AQUANTIAの10ギガビットLANやフロントパネル用のUSB3.1 Type-Cヘッダ、オンボードスイッチが省略されている点。その他はほぼ同等ながら市場想定売価は299ドルに設定されており、これまで同様かなりお買い得感の高い製品になりそうだ。なおこちらもSkylake-Xの解禁とほぼ同時に発売が開始される予定。
X299 Taichi | |
「X299 Taichi」(左)と「Fatal1ty X299 Gaming i9」(右)を比較したところ。ヒートシンク以外の違いはほとんど見当たらない | バックパネルの違いは10ギガビットLANの有無のみ |
「Z170 OC Formula」以来となるオーバークロックモデル「X299 OC Formula」もラインナップ。もちろんNick Shih氏が監修しており、メモリスロットを4本に抑えることでDDR4-4,800MHzを超える高クロックメモリに対応。さらに今回の製品の中では唯一4-WayのNVIDIA SLI/AMD CrossFire Xのマルチグラフィックスをサポートする。なおNick Shih氏は、既にこのマザーボードを使い検証を進めているということで、近く記録更新の一報を聞くことができるかもしれない。
X299 OC Formula |
「Fatal1ty X299 Gaming K6」は、「Fatal1ty X299 Gaming i9」の下位に位置づけられるメインストリーム向けゲーミングマザーボード。電源フェーズが11フェーズになる他、メモリクロック対応も4,400MHzから4,266MHzへと若干抑えられている。なおイベントで展示されていたサンプルでは基板上にレッドのカラーリングが施されていたが、製品版では他のモデルと同じグレー塗装に変更されるとのこと。
「X299 Killer SLI/AC」は、「Fatal1ty X299 Gaming K6」からゲーミング機能を省略したスタンダードモデル。「Fatal1ty Mouse Port」や「Creative Sound Blaster Cinema 3」以外の機能についてはほぼ同等だ。
Fatal1ty X299 Gaming K6 | X299 Killer SLI/AC |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ASRock Incorporation: http://www.asrock.com/
COMPUTEX TAIPEI 2017 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2017/