2017.06.01 12:13 更新
2017.06.01 取材
ASRock Incorporation(本社:台湾)ブースで一際大きな面積を占有していた、怪しげな機材をチェックしておこう。コアになっているのは仮想通貨の採掘向けマザーボード「H110 Pro BTC+」、なんと最大13枚のグラフィックスカードが接続できるという変態仕様になっている。実際に国内向けにも発売されるようだ。
一般的な採掘向けモデルに比べ、圧倒的に多いカードが接続できる「H110 Pro BTC+」。実働デモはさながらBitcoin採掘所といった風情、通常のPCケースに収まるレベルを超えている |
BitCoinやRipple、Litecoinなど仮想通貨の採掘(マイニング)向けに、各メーカーから様々なマザーボードがリリースされている。一般的な採掘はGPUの演算性能を使って行われるため、できるだけ多くのグラフィックスカードが接続できるモデルがベターだろう。そこへきてASRockは、なんと最大13枚のグラフィックスカードが接続できるという、変態極まる仕様の「H110 Pro BTC+」をCOMPUTEXに持ち込んできた。
一般的な採掘用マザーボードの場合、接続できるグラフィックスカードは6枚そこそこ(それでも多いが)。ところがこのモデルの場合は13基のPCI-Expressスロットを用意、変換アダプタを使用することで、スロットをフル活用して最大13枚のグラフィックスカードを接続できる。一般的な採掘向けモデルの2倍、これでより効率的な採掘が可能になるというワケだ。
GPUパワーを使って行うGPUマイニングでは、とにかく多数のグラフィックスカードを繋ぎたいところ。そうして考え抜かれた末に、ちょっと異様な接続風景が完成した | |
大変なことになっている拡張スロット。PCI-Expressスロットがビッシリと並び、変換基板を介して接続。スロット間はUSBコネクタほどの間隔しかない |
会場に用意された展示機には、SAPPHIRE製のRadeon RX 470が8枚搭載されていた。なぜ13枚接続されていないかと言えば、現時点では最大8枚のグラフィックスカードしか認識できないという、ドライバのバグのため。近くリリースされる修正版ドライバにより、最大13枚の稼働が可能になるようだ。
ちなみにデモ機の電源ユニットはFSP製の1200W×2と1000W×1の3台で、合計容量はなんと3400W。ホンキで13枚のグラフィックスカードをフル稼働させようとすると、これだけの容量に達するらしい。
なお「H110 Pro BTC+」は、Intel H110ベースのモデルながら、連続駆動が前提のため8フェーズ電源と2オンス銅層基板を採用するなど、耐久性重視の仕様。ネットワークチップはIntel製が採用されている。
そして気になるリリース予定だが、なんと国内向けにも発売を予定しており、7月にも店頭に並ぶかもしれない。予価は15,000円前後、ただしPCI-Express(x1)-PCI-Express(x16)変換アダプタが同梱されるかは不明とのこと。
こちらはバックパネルインターフェイス。グローバルにおける想定売価は119ドルで、実際に国内向けの発売も予定。7月に15,000円前後で登場するらしい |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
ASRock Incorporation: http://www.asrock.com/
COMPUTEX TAIPEI 2017 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2017/