2017.06.02 02:52 更新
2017.06.02 取材
Phanteks(本社:オランダ)は今年もグランド ハイアット台北のプライベートルームにおいて、関係者向けプライベート・エキシビションを開催。奇妙な新作「EVOLV SHIFT」シリーズを発表した。
ハイエンド志向の強いPCケースが定評のPhanteks。今年持ち込んだのは通常は縦置き、やろうと思えば横置きも可能なフットプリントの小さなMini-ITXケース「EVOLV SHIFT」シリーズだ。
まず紹介するのは、背の高い「EVOLV SHIFT X」。DIY水冷も構築できるように設計されているものの、設置面積は大型グラフィックスカードと同等のサイズを想定。敢えてPCらしくないスタイルを狙い、ケーブルの露出を最小限に抑えることで、リビングに違和感なく溶け込むデザインを目指した。
このスタイルにあまり例が無いため、想像がしにくいだろう。強いて言うならSilver Stoneの佳作「Fortress FT03」に設計思想が近く、さらにスリムで背が高い。なお外形寸法は幅170mm、奥行き274mm、そして高さは650mmもある。この高さなら、さすがに「ごみ箱」などと揶揄されることはないだろう。
それゆえに、内部構造はかなり複雑。Mini-ITXマザーボードはトップパネル面にバックパネルが固定されるレイアウトで、標準付属品のライザーケーブルにより、グラフィックスカードはマザーボードと平行に設置することになる。
ちなみにグラフィックスカードは、ライザーケーブルを利用するため、表裏は自由に設置可能。側面の強化ガラスから、グラフィックスカードの露出したい面が選択できる。
素材はアルマイト加工済みアルミニウム、粉体塗装スチールなどを採用。拡張スロットは2段で、シャドウベイは3.5インチ×2台分、2.5インチ×4台分で、冷却ファンはフロントに120mmまたは140mmが3基、ボトム部に120mmまたは140mmが1基搭載できる。
なおラジエターはフロント240/280mmサイズ、ボトム部に120mmサイズが装着可能。なお電源ユニットはSFX規格だが、ケーブルをまとめる役割を果たすカバーを外せばATX規格が搭載可能になる。
そしてもう1台、「SHIFT X」の兄弟モデル「SHIFT」もチェックしておこう。詳細スペックは現時点不明ながら、高さを低く設計。さすがに650mmでは圧迫感があるという向きには手頃なサイズと言えよう。
背の低さゆえに、同一コンセプトながらシャドウベイは2.5インチ×3台分のみ。電源ユニットもSFX規格のみと若干の制約はある。なお「SHIFT X」とは違い、オールインワン型水冷ユニット向けとされ、デモ機には120mmサイズラジエターが2基マウントされていた。
こんな新鮮かつ斬新なPCケースの外装を設計したのは、お馴染みの顔であるBoon T.Khor氏(右)。そして内部の設計をTenzin Rongen氏(左)が担当。彼らのアイデアがカタチになった。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
Phanteks: http://www.phanteks.com/
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