2017.06.03 04:42 更新
2017.06.03 取材
Antec(本社:アメリカ カリフォルニア州)静音PCケース「P100」が世代交代。グランド ハイアット台北のプライベートルームに持ち込まれた「P110 Silent」は、より静音に特化したミドルタワーPCケース。さらにこの世代から「P110 Luce」と名付けられたRGBモデルもラインナップされる事が分かった。
AntecのPCケース部門を牽引する「Performance One」シリーズ。中でも屋台骨を背負って立つミドルタワー「P100」その後継品がデビューを間近に控えている事が分かった。2014年1月の初登場から、約3年半ほどで看板を下ろすことになる。
手元資料によると、「P110」は2機種展開。静音に特化された「P110 Silent」に加え、時流に乗った強化ガラス採用とRGBイルミネーション搭載モデル「P110 Luce」が用意され、毛色の違う2モデルが選択できるようになる。ここでは主力となる「P110 Silent」をご紹介しよう。
まず外観デザインだが、余計な装飾を嫌ったフラットデザインを継承。フロント左上にはAntecロゴがあしらわれ、メーカーの主張が強くなった。さらに左サイドパネルにもロゴが確認できる。なおフロントパネルは開閉ドアを廃止。両側面にスリットを設け、吸気口が確保されている。
ちなみにフロントパネルを取り外すと、内部には防塵フィルタを装備。開いたついでにAntecロゴ部を見ると、LEDにより発光する仕掛けが隠されているらしい事が分かる。静音に実直だった性格に変化が見て取れる。
静音対策については、まずトップパネルに注目したい。前後2枚のパネルは着脱式で、パネル裏面には吸音材が敷き詰められている。”何か”を想起させるが、それはさておき両サイドパネル内側にも吸音材を装着。「P100」の二層構造パネルは定評だが、それを上回る重厚感と、反響をピシッと抑える安心感は、歴代最も出来がイイ。聞けば「道路の舗装に使う素材を一部に使用している」という。恐らく「歴青」の類いと思われるが、定かではない。
なおシャーシには側面四隅を、Antecロゴ入りハンドスクリューで固定する。今作はずいぶんとロゴが多い。
次に内部構造だが、シャドウベイは2.5/3.5インチ共用が4台分、2.5インチ専用が2台分。ボトムカバー内部にあるケージは着脱が可能。電源ユニットは長さ250mmまでをサポートしているが、さらにスペースに余裕が欲しい場合は、これを取り外せばいい。
冷却機構はフロント120mm×3または140mm×2、トップ120/140mm×2、リア120mm×1で、フロント2基とリア1基の120mm口径ファンが標準で装備される。またラジエターは、フロント最大360mmサイズ、トップ最大240mmサイズ、リア120mmサイズをサポートする。
最後に興味深い仕掛けをひとつ紹介すると、ハイエンド志向の長物グラフィックスカードの歪みを防止する、VGAホルダーが標準で装備される。ちょうど本棚の棚を支える”棚受け”のようなもので、重量級グラフィックスカードを下支えする。近頃市販品が複数出回っているが、そもそもPCケースに標準装備すれば事は足りる。
外形寸法はW489×D520×H489mmで、筐体を構成する素材は0.8mmと1.0mm厚スチール。対応フォームファクタはATX、MicroATX、Mini-ITX。各有効スペースは、CPUクーラーで高さ170mmまで、グラフィックスカードは長さ390mmまで。発売時期は現時点確定しておらず、予価は14,000円程度になるようだ。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
Antec: http://www.antec.com/
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