2017.06.04 15:39 更新
2017.06.04 取材
AMD Ryzenの成功もあり、その登場に今から期待がかかるAMDのハイエンドCPU 「Ryzen Threadripper」。Noctuaブランドでは、現在対応CPUクーラーを開発中。順調であれば、ほぼ解禁と同時に販売が開始できるそうだ。
16コア/32スレッドというコンシューマ向け最高クラスのコア数に対応する、AMDの新ハイエンドCPU「Ryzen Threadripper」。ASRockやGIGABYTEブースでは、対応マザーボードがいち早く公開されるなど、周辺パーツの準備も順調に進んでいるようだ。
ASRock(左)やGIGABYTE(右)ブースでは、「Ryzen Threadripper」対応マザーボードが公開された |
そしてNoctuaでは早くもほぼ完成品という専用CPUクーラー3種が展示されていた。実際にはサーバー向けCPU「EPYC」のSocket SP3と、「Ryzen Threadripper」のSocket TR4のいずれにも対応。製品ラインナップは「NH-U14S」ベースの高冷却モデルを筆頭に、「NH-U12S」をベースにしたバランスモデル、「NH-U9」をベースにした90mmファン採用のコンパクトモデルが用意される。
CPUに合わせて受熱ベースが大型化。その分価格は既存モデルより高価になる |
いずれもCPUに合わせて、銅製受熱ベース部を大型化。もともと冷却性能に定評のあるNoctua製CPUクーラーだが、受熱ベースの拡大により熱の移動効率はさらに向上。製品の解説をしてくれたJakob Dellinger氏曰く、性能については期待していて欲しいとのこと。
マウンタの工作精度も上々。実際に軽く揺らしてもグラつくことはなかった |
開発は順調ということで、製品の発売はCPUのラウンチとほぼ同時期に開始予定。なお価格は受熱ベースが大型化している分、既存モデルよりは間違いなく高くなるという。
「Ryzen Threadripper」向けの製品の他、ブースにはヒートパイプを7本搭載する次世代「U-Type」クーラーやSocket AM4に対応する超ロープロファイルモデルも展示されていた。これらまとめて画像で紹介していこう。
製品の解説をしてくれたのは、Noctuaの顔でもあるJakob Dellinger氏 |
「Next-generation U-type cooler」と名づけられた新モデルは、その名の通り「U-Type」の次世代モデル。ヒートパイプを6本から7本に変更。さらにヒートパイプの位置を最適化することで放熱効率が向上しているという。
Next-generation U-type cooler |
現在も開発中で、製品の発売は早くても来年になるとのこと。特にヒートパイプは全長が長くなるに連れ、熱移動能力が落ちることから、最適な長さと配置を見つけるのに苦労しているらしい。後ほどレポート予定の新設計ファンとの組み合わせを考えている製品ということで、その登場を気長に待つことにしよう。
ヒートパイプはただ増やすだけでは冷却性能は向上しない。最適な配置や長さを見つけるのに苦労しているとのこと |
「NH-L9 low-profile for AM4」は、全高わずか37mmの「NH-L9」のSocket AM4対応モデル。リテンション部分を変更したもので、こちらは間もなく発売が開始される予定だ。
NH-L9 low-profile for AM4 |
「L-type 120mm low-profile cooler」は、120mm+90mmのデュアルファンを搭載するロープロファイルCPUクーラー 「NH-L12」をベースにしたモデル。上段のファンをなくし、下段のファンを90mmからスリムタイプの120mmファンに変更したことで、冷却性能の低下を最小限におさえつつ、全高は25mm低くなっている。
L-type 120mm low-profile cooler | |
LGA2066プラットフォームは、既存のLGA2011/2011v3用のリテンションがそのまま流用できる |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
RASCOM Computerdistribution(Noctua): http://www.noctua.at/
COMPUTEX TAIPEI 2017 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2017/