2017.07.07 09:00 更新
2017.07.07 取材
2017年7月6日、Synology(本社:台湾)の国内正規代理店である株式会社フィールドレイク(本社:大阪府大阪市)は、秋葉原UDXにおいてプレス向け発表会を開催。昨年11月に行なわれた「Synology 2017」で公開された高性能ルーター「RT2600ac」の国内販売開始を発表した。
発表会ではSynology本社より来日したセールスマネージャーのWillie He氏が登場。Synologyの主力となっている“NAS”をNetwork、Application、Storageに再定義して、事業を進めている点を解説。そしてこのたび、Networkプロダクトの一環として、高性能モデルの無線LANルーター「RT2600ac」を日本で発売することが決定したという。
右から、マーケーティングマネージャーのTracy Sung氏、日本のセールス担当 田野氏、セールスマネージャーのWillie He氏 | Synologyが再定義したというNetwork、Application、Storageのプロダクト |
続いて、Synology国内正規代理店の株式会社フィールドレイクから、取締役営業本部長の倉石氏が登壇。「RT2600ac」は、ファミリー、ゲームユーザー、熟練PCユーザー、スモールビジネスの幅広いユーザー層を対象にした高性能無線LANルーターであると説明した。
認証の関係から「RT2600ac」の国内投入に手間取ったものの、6月下旬にクリア。日本での発売は7月14日に決まり、各ショップでは7月8日から予約がスタートする。市場想定売価は税別29,800円だ。
海外デビューから遅れること約半年。国内での販売が決定したIEEE802.11ac wave2対応やMU-MIMOをサポートする高性能無線LANルーター「RT2600ac」 |
なお「RT2600ac」については、7月6日付けリリースに詳しいので、ここでは簡単にスペックをおさらいしておこう。
「RT2600ac」主なスペック。プロセッサーは1.7GHz動作のクアッドコアで、100台の同時接続対応を謳う | 7月14日発売予定で、市場想定売価は税別29,800円 |
MU-MIMOとビームフォーミングをサポートするIEEE 802.11ac wave 2に対応し、最大通信速度は5GHz帯1733Mbps、2.4GHz帯800Mbps。4×4 MU-MIMOやビームフォーミングをサポート。さらに、5GHz帯と2.4GHz帯の接続を自動で切り替えて最適化する「スマートコネクト」や、デュアルWANポートによる冗長化や帯域共有して負荷を分散する「スマートWAN」といった機能を搭載する。
トップパネルは放熱効果を高めるメッシュデザインを採用 | リア側にはギガビット対応のWANポート×1、LANポート×4(内1ポートはデュアルWANで使用可能)、USB2.0×1などを備える |
サイドにはWPSボタンやUSB3.0×1を装備 |
プロセッサーは1.7GHzで動作するQualcomm製デュアルコアCPU(デュアルコア Krait CPU+デュアルコア ネットワークサブシステム)を採用しており、同社の検証では120台を超える同時接続でも、実用に問題はなかったという。
ボトム部分もメッシュデザインを採用し、放熱効果を高めている | 壁掛け用の穴も用意されている |
電波強度にあわせて5GHz帯と2.4GHz帯を自動で切り替える「スマートコネクト」 | デュアルWANで、帯域バランシングによる負荷分散、フェイルオーバーが可能な「スマートWAN」機能 |
「RT2600ac」は、WindowsライクなUIで各種設定が行なえる「Synology Router Manager(SRM)」を採用する。同社製NASで採用される「DSM(DiskStation Manager)」のように、初心者でも扱いやすい。また、DSM同様ユーザーが必要とする機能を追加でインストールできるようになっている。
UIには、分かりやすく操作性もいい「Synology Router Manager(SRM)」を採用 | |
PCとルーターに接続したUSBストレージを同期させる機能など、パッケージセンターで必要な機能を追加できる |
そのほか、SOHOや海外出張の多いユーザーなど、ビジネス用途での特徴として強化されたVPN機能「VPN Plus」も特徴。PPTP、L2TP over IPsec、OpneVPNに加えて、SSTP、WebVPN、独自のSynology SSL VPNを新たにサポート。競合製品よりも多くのVPNサービスに対応している点をアピールしていた。
従来よりも強化された「VPN Plus」機能。多くのVPNサービスをサポート |
また、インターネットの利用制限やペアレンタルコントロールは、端末ごとに詳細に設定できるなど、高いセキュリティ機能も実装。子供が使用しているPCやスマホでの有害サイトの閲覧制限はもちろん、会社の就業時間中にFacebookやTwitterへのアクセスを制限するといった運用も可能だ。
端末ごとに利用時間やペアレンタルコントロールを細かく設定可能 |
文: テクニカルライター・藤田 忠
Synology Inc.: http://www.synology.com/
株式会社 フィールドレイク: http://www.fieldlake.com/