2018.03.11 00:00 更新
2018.03.11 取材
ガジェットライフにどっぷりハマる、ギークな野郎は毎日何を考えている?「ギークの殿堂」でお馴染みなアノ人が、スマホやデバイスのアレコレから、業界事情やオトクな契約プランに至るまでを徒然に語る。今回のテーマは、格安のガラケーSIMでiPhoneを安上がりに使う裏技だ。
大手3キャリアのスマートフォンは、ほとんどの場合、音声だけの契約を1,000円以下で運用することはできない。例えばドコモであれば、通話しないのにカケホーダイの契約が必須となっていて、パケット不要でも最低の維持費は月額2,700円。auやソフトバンクも横並びで、900円台のプランを選んでも必ずデータプランが付いてくる。誰でも一度は考えそうな「電話以外の通信はWi-Fiだけにしたい」という発想は、なかなか実現が難しいのだ。
安いガラケーの契約をiPhoneで使えたら最高なのに・・・。そんなことを考えつつ日々悶々としていたら、実はちょっとした抜け道があったらしい。
iPhoneをできるだけ安く使いたい、それならガラケーSIMを使ったらいいんじゃない?思いついて即実行、SIMフリー機で運用している猛者が同僚にいたのです |
そもそもドコモの場合、900円台で契約したFOMA SIMをiPhoneに挿しても動作しない。その点はauも同様で、ガラホのVoLTE SIMや3Gの音声通話SIMをiPhoneに挿したところで、一切使えない。
ところがソフトバンクはというと・・・なんと普通に動いているじゃないか!SIMフリーのiPhone 7 Plusに入れた、ソフトバンクの3GガラケーSIMがちゃんと使えている。もちろんガラケーのSIMは、いわゆる“標準サイズ”なので、iPhoneで使うにはnanoSIMサイズにカットしなければならない。SIMカットは失敗する場合もあるし、そうなれば再発行してもらい再度チャレンジ・・・結構な出費になってしまう。
節約しようと思って頭をひねって考えたのに、なんだかリスキーな話になってしまった。ちなみに普通のソフトバンク版iPhoneにガラケーSIMを入れても使えない点には注意。あくまでSIMフリーモデルを用意する必要がある。
ドコモやauではできないけれど、ソフトバンクならできる裏技。カットした3GのガラケーSIMを入れても、SIMフリーモデルならちゃんと認識できている |
もっともこんなことを(しかもソフトバンク限定)しなくとも、以前は普通に使える低価格な音声プランがあった。ドコモの場合は、4G(いわゆる「Xi」)に移行してからも月額780円で済むプランが(しばらく)あったし、auにも934円だけで維持できるプランがあった。
ところがドコモは、いまや機種変更の場合でも強制的にカケホーダイに移行させられるため、当時の“お宝プラン”を維持している人は少数派だろう。auも2015年12月以降はパケットパックの契約が必須となってしまったため、最低の維持費も高くなり、au離れの一因になってしまったと言われている。
ガラケー用のSIMはほぼ通常サイズとあって、iPhoneに入れるにはSIMをカットする必要が。もちろん保証対象外、失敗する場合もある |
そしてソフトバンクに至っては、934円のホワイトプランだけに抑えたくても、スマホにはWeb使用料300円が抱き合わせ。3Gスマホ時代はプラス390円くらいでパケット下限に抑えられたのだが、4Gに移行してから諸々合わせての下限額が2,100円になってしまった。
1回線ごとの平均収入(ARPU)を上げたいがために、あの手この手で維持費を上げてくる大手キャリア。その一方で、あの手この手を使って抜け穴を探しにかかるユーザー。まさにイタチゴッコな状態だが、この抜け穴を見つけるのがマニアの楽しみの1つだったりする。
いったいこの裏技もいつまで使えるやら。でもこうした“抜け道”を探すことこそが、マニアの楽しみだとか |
もっとも今回の方法も非公式なアプローチで、いつ塞がれるかも分からない保証ナシな楽しみ方。強烈なメリットを享受できる美味しい話というより、ゲームでバグ技を発見した際の喜びに近いかもしれない。早速自分でもやってみよう!・・・と思ったけれど、自分はすでにソフトバンクのスマホ回線を5つ持っているので、あまり意味はないな・・・ということに気付いてしまった。
文: 太田 文浩(イオシス アキバ中央通店)