2018.06.10 08:06 更新
2018.06.10 取材
製品の概要が記されたプレートに「TBC」(To Be Confirmed)の文字が付くAntecの新作「Krypton」。Antecと言えば、フラットデザインのシンプルさがウリのはずが、欧米市場からは多少の不満があったらしい。"らしからぬ”デザインのPCケースをご紹介しよう。
Antecと言えば、国内市場にも多くの愛好家がいる。シンプルなフラットデザインが特徴のPCケースは、Antecの代名詞であり、主力「Performance」シリーズには、多くの傑作が名を連ねてきた。
しかし欧米市場には、やや不満があるようだ。「P100」や「P110 Silent」の癖が無いデザインばかりでは飽き足らず、「ゲーミング向けPCケースは作れないのか」という声があるという。”飽きのこないデザインに、欧米市場が飽きた”という事のようだが、そのリクエストに応える格好で完成したのが「Krypton」だ。
担当者によると、既存のシャーシを流用したものではなく、新たに金型を起こしたという。ここまでくると、量産はほぼ間違い無いだろう。ちなみに展示品は取材3日前に到着したばかりの試作初号機だ。
フロントパネルには中央の上下にステイが装着され、立体感を演出。隙間から見えるシャーシ面には、3基のLEDファン「Prizm 120 ARGB」が搭載され、既に見慣れたAntecのデザインではなかった。
シャーシ内部構造を見ると、底面にはボトムカバー(シュラウド)を装備するイマドキ仕様。電源ユニットを覆い隠す部分は着脱式で、搭載モデルの銘柄が露わになる。さらにカバー全体も取り外しが可能で、組み込み時プラグインコネクタの抜き挿しが楽になるだろう。
グラフィックスカード用のホルダーも標準装備。長モノ基板の歪みを防止する | トップカバーデザインもゲーミングPCケースを意識したもの |
ケーブルマネジメント対策も万全。マザーボードトレイ背面にはRGBファンのコントロールユニットが標準で装備されていた |
背面に回ると、既存のスチールシャーシにプラスチック製で背が高く、”それらしく”装飾されたトップカバーが載せられいる「Krypton」。両サイドパネルは強化ガラス製で、背面に蝶番が確認できる。
デモ機に搭載された冷却ファンは、フロントx3基、トップx3基、リアx1基で、いずれも120mm口径。ただし全ての箇所で140mm口径ファンにも対応するという。なおドライブベイは2.5/3.5インチ共用x4、2.5インチ専用x2 |
外形寸法はW262xD575xH692mm。素材構成は0.8mmと1.0mmスチールおよびABS樹脂。各クリアランスはグラフィックスカードが長さ最大420mmまで、CPUクーラーが高さ最大195mmまで、電源ユニットが奥行き最大250mmまで。
聞くところによると、発売は年内が想定されているそうで、予価は税抜24,980円前後。ゲーマー御用達PCケースの仲間入りはできるだろうか。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
Antec: https://www.antec.com/
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