2018.06.13 00:00 更新
2018.06.13 取材
ガジェットライフにどっぷりハマる、ギークな野郎は毎日何を考えている?「ギークの殿堂」でお馴染みなアノ人が、スマホやデバイスのアレコレから、業界事情やオトクな契約プランに至るまでを徒然に語る。今回のテーマは、ちょっと趣向を変えてコスパ抜群なリファービッシュノートの話題だ。
スマートフォンとタブレットの急速な台頭もあり、PCの出荷はここ数年で激減しているらしい。ここ秋葉原でもPCを扱うお店が閉店したりと、そうした流れを肌で感じる機会も増えてきた気がする。かつて中古PCのバッタ屋からスタートしたイオシスも、いまや売上の主力はスマートフォン。ゲーミングPCなどの例外はさておき、普通のPCはもう“オワコン”なのだろうか?
新品PCの出荷が伸び悩んでいる中で、実は盛り上がりをみせている中古市場。いったいどんなモデルが売れているのだろうか? |
ちなみになぜこんな話を始めたのかというと、この6月からPCをメインに扱うアキバ中央通ヨコ店に異動になったという、個人的な事情もあったりする。これまで以上にPCと向き合う機会が増えたことで、世の中の評判とはちょっと違う景色も見えてきた。いやいや、まだオワコンなんてことはなさそうだ。
そこで今回注目したいのが、最新OSのWindows 10を搭載した型落ちノートPCだ。2011年から2013年頃に発売と聞けば相当古めかしい印象だが、この時期の「Let’s note S10」や「ThinkPad」シリーズといったモバイルノートが、いまや2~3万円台で購入できる。スマートフォンなどに比べても圧倒的に安く、しかも単なる中古PCではない。マイクロソフトの公認を受けた専門の整備業者が手がける「リファービッシュPC」なのだ。
最新環境に生まれ変わった、2万円台で変える型落ちモデルの「Let’s note S10」。抜群のコスパで大人気、イオシスだけでも半年で2,000台以上売れるモデルだとか |
発売時期から、もとはストレージがHDDでOSもWindows 7を搭載していたモデルがほとんど。それが業者によってSSDに換装され、OSもWindows 10 Proにアップデート。そのおかげで当時のIntel第2世代Coreシリーズ搭載ノートとは思えないほど、非常に処理速度が速く快適なマシンが出来上がる。まさに別モノに生まれ変わるというワケだ。
SSDに換装されたことで処理速度は大幅アップ、第3世代Core i5+HDD構成より高速。MS認定業者が整備する再生品で、特にIBMによるリフレッシュPCは安心感から人気が高い |
スマートフォンやタブレットには豊富なアクセサリがあり、ワイヤレスキーボードを接続してノートPCっぽく使うこともできる。しかし実際にはPCでしか使えない(あるいはPCの方が使いやすい)ソフトも多く、何よりノートPCの物理キーボードがもつ安定感にはかなわない。それが安い価格で手に入るわけだから、コストパフォーマンス面では最新のスマホ・タブレット以上の魅力をもっている。
物理キーボードの安定感は、ホンモノのノートPCならでは。ソフト面でもWindows環境の方が使いやすい、という人は多いはず |
さらに近頃のノートPCやタブレットと比べて、2012年前後のノートPCはインターフェイスがやたらとたくさん搭載されていたりする。ディスプレイ出力やUSBポート複数搭載は当たり前で、有線LANや光学ドライブを積んだモデルも珍しくない。薄型化を追求した「MacBook」のように、Type-Cが1ポートきりという構成とは真逆のコンセプト。スッキリしたインターフェイス周りは最新モデルの魅力だが、気にせず周辺機器が使える従来型ノートも悪くない。
インターフェイスがやたらと付いているのも、この時期のモバイルノートの特徴。今や役目を終えつつある光学ドライブも、あれば便利なもの |
そもそも以前は、使えるレベルのノートPCを格安で買い求めることが、なかなか難しかった。それがここ数年で「リファービッシュPC」が市場に広まったことで、ノートPC購入のハードルは確実に下がっている。型落ちながら必要なパーツも換装済みで、普段使いには十分。マイクロソフト公認の整備マシンというお墨付きもあり、単なる中古に比べて安心感がもてる。
スマホより安く買える、安心整備の再生品ノートがこれまで以上に人気の予感。定番シリーズはデザイン的にも古さを感じさせない |
それに人気の中心になっている「Let’s note」や「ThinkPad」といった鉄板ノートは、現行モデルとデザインがほとんど変わらないところもポイント。見た目にも古さを感じないし、それこそスタバに持ち込んでも気後れすることはない。これからは一度役目を終えたPCがメーカーに整備され、OSやSSDを換装されて再び活躍するのが当たり前になるのかもしれない。これがPC業界の循環型社会というヤツなのだろうか?
文: 太田 文浩(イオシス アキバ中央通ヨコ店)