2018.06.13 11:59 更新
2018.06.13 取材
平凡なPCケースが積み上がっているだけかと思いきや、やけに個性的なCPUクーラーを並べていたのがSolleron Corporation(本社:台湾)ブース。まだ名前すら決まっていないコンセプトモデルもありつつ、その独特な冷却アプローチは眺めているだけでも楽しい。
あいにくまだ“名無し”というこのCPUクーラー。ちょっと奇妙な構造をしているが、果たして冷えるのだろうか |
「実はまだモデル名が決まっていない」と担当者が紹介してくれたのが、なんとも個性的な形状のCPUクーラー。2つの独立したサイドフロー型クーラーを合体させたような構造で、ヒートシンクがちょうど“くの字型”にウイングを広げている。あまりお目にかからないデザインだけに、何かキャッチーなモデル名をつけようと悩んでいるのかもしれない。
独立したサイドフローをヒートパイプで連結したような、あまり見ないデザイン。実際に搭載するなら、クリアランスもある程度確保する必要がありそうだ |
自己主張の強いヒートシンクに比べて、やや控えめな受熱ベース。今後の改良ポイントに挙げていた |
気になるのが冷却性能だが、担当者いわく「ファンが向かい合わせにならないため、効率よくホットエアを抜くことができる」とのこと。ただしダイレクトタッチ方式のヒートパイプを5本使っていながら、受熱ベース部分が狭くなってしまうのが設計上の欠点らしい。
なお、参考出展のサンプル品のため、発売予定や価格などは不明。どうもこのコンセプトを諦めていないらしく、今後も改良を続けていくという。
RGBに光るLED内蔵のファンカバーがキノコっぽい、トップフロー型クーラー「120RV1」 |
隣に並んでいた、どこかキノコのようなデザインのトッププロー型CPUクーラーには「120RV1」という名前があった。モデル名からお察しの通り120mm口径のファンを搭載しており、フレームの外周と内周にはRGB LEDが内蔵されている。
内周だけでなく、外周部分にもLEDを内蔵。こちらもヒートパイプダイレクトタッチだが、またもや変わった形状のヒートシンクを使っているようだ |
こちらも4本のパイプをダイレクトタッチさせる設計だが、変わっているのはヒートシンクのデザイン。8方向に伸びたそれぞれのパイプを中心に、放射線状にフィンが広がる8分割構造になっている。インパクトのある機構だが、クーラー自体の重さはそれほどないようだ。
なお、このモデルもサンプル品につき、実際の販売予定や具体的な価格は不明。PCケースが主力でCPUクーラーはまだメーカーサイトに載っていないところをみると、これからチャレンジする分野なのかもしれない。それだけに、あまり先入観のない設計思想をもっているようだ。
8分割の独立ヒートシンクを並べるという、これまた珍しい構造。色んな冷却アプローチを試している最中のようだ |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
Solleron Corporation: http://www.solleron.com.tw/
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