2018.07.23 09:00 更新
2018.07.23 取材
プロゲーミングチーム「Sengoku Gaming」は2018年7月21日、直営のゲーミングネットカフェ「SG.LAN」のメディア向け内覧会を実施した。日本屈指のプロゲーマーがスタッフを務める、その店舗の模様をお届けしよう。
ゲーミングネットカフェ「SG.LAN」の説明に入る前に、まずは運営母体となる「Sengoku Gaming」について触れておこう。「Sengoku Gaming」は、2017年10月に設立された、比較的新しいプロゲーミングチーム。オーナーは鹿児島で現役の漁師かつ漁業組合の会長でもある岩元 良祐氏だ。
学生時代にはPlay Station 3の「メタルギアオンライン」で、全国でも屈指のチームに所属していたゲーマーである岩元氏。近頃の国内におけるeSportsの急速な成長に加え、本業である漁業の経営も安定していることから、「メタルギアオンライン」で同じチームに所属していたという副代表の松本 孝眞氏とともに、プロゲーミングチームの運営を開始した。
Sengoku Gaming代表の岩元 良祐氏。今は鹿児島と福岡を毎日のように行き来しているという | 副代表の松本 孝眞氏。「メタルギアオンライン」のチームではリーダーを努めていたとのこと |
拠点を地元の鹿児島ではなく福岡を選んだのは、九州の中で最も大きい都市であることが最大の理由。まずは「SG.LAN」で定期的にイベントを開催し、プロゲーミングチームやゲーミングネットカフェの存在を発信。認知度を高めるとともに、九州全体にeSportsが浸透するような流れを作りたいという。
またチーム名の由来について聞くと、国内の主要プロチームがいずれも横文字を使ったものばかりだったことから、より日本らしさを強調して“戦国(Sengoku)”にしたとか。中には「ダサい」という意見もあったらしいが、日本チームであることが分かりやすいと好意的に捉える意見が強かったようだ。
「Sengoku Gaming」では、2018年10月の設立1周年に向けて新しいチームロゴのデザイン案をコンテスト形式で募集中。あくまでも“案”としての採用のため画力に自信のない人も大歓迎とのこと |
もともと「League of Legends」と「Rainbow Six Siege」の2チームでスタートした「Sengoku Gaming」だが、現在は「スプラトゥーン2」「Fortnite」「Call of Duty: WWII」「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」(2チーム)に加え、Twitch/Youtubeのストリーマーチームを加えた8チームを擁している。中でも特に力を入れているのが「Rainbow Six Siege」のチーム「Sengoku Gaming Extasy」だ。
所属選手は「SG.LAN」の近くにあるワンルームマンションでそれぞれ部屋を借りて生活。ほぼ毎日21時から翌1時頃までの約4時間にわたる実戦形式の練習を行い、その後コーチであるOkamoto氏とともにオンラインミーティングで、反省点などを洗い出す。ちなみにプロゲーミングチームで一般的な、共同生活を送るシェアハウス形式にしなかった理由を尋ねると、eSportsはチーム内の連携が重要となり、練習時間が長くなってしまう。どうしても顔をあわせる機会が多くなるため「ストレスを解消するためにもプライベートな空間が必要であると考えた」(岩元氏)とのこと。
その甲斐もあってか、発足からまだ1年足らずのチームながら国内では1、2を争う強豪になった「Sengoku Gaming Extasy」。今後はAPACの壁を破り、「世界大会で活躍できるようなチームに成長したい」とコメントした。
さらに岩元氏は、現在選手たちに支払われる給料には満足していない。これからは大会で勝てるチーム作りに加え、スポンサーをさらに増やし、プロスポーツ選手のように稼げることを目標に掲げている。また選手生活を終えた後のセカンドライフについても複数の選択肢を用意し、より多くのゲーマーがプロとして活躍できる土壌を作りたいと抱負を語った。
「Sengoku Gaming」との提携の経緯について解説した、エムエスアイコンピュータージャパン株式会社DPS営業部MB&SPBセールスマネージャーMavin Huang氏 |
また内覧会には、スポンサーを務めるMSIからも関係者が参加し、「Sengoku Gaming」との提携の経緯について解説。現在MSIでは、将来性のある若いゲーマーやゲーミングチームをサポートし、世界で戦えるプロゲーマーを育成する「Dragon Project」を全世界的に展開。日本でも昨年4月より応募が開始され、すでに4チームと契約。その内の1チームが「Sengoku Gaming」というワケだ。
同DPS営業部Channel Development Specialist製品拡販担当福田 圭氏(画像左)はゲーミングPCと液晶ディスプレイについて、同VGA営業部Marketing Specialist林 航一郎氏(画像右)は各種デバイスについて解説 |
選考の理由としては、充実した選手、しっかりとした組織運営、将来的な明確なビジョンがあることなどが挙げられ、すべての選手にゲーミングギアやイベントへの交通費のサポートなどが行われるという。なお国内では最終的に8チームと契約し、ゲーマーのフィードバックによる、よりよい製品開発を推進。ゲーム大会などの協賛を進め、日本のゲーム業界をさらに盛り上げて行きたいとのことだ。