2018.09.05 00:00 更新
2018.09.05 取材
自由でユニークな発想から生まれる、スタートアップの気になるガジェットをチェックする「次に来るモノ」。今回は、革新の砂時計「Tempo」を見ていきましょう。
子供の頃にキッチンに置いてあったのを見た記憶がありますが、はて最後に砂時計を使ったのはいつのことだったやら。その砂時計に革新的なモデルが登場する? |
砂時計といえば砂の落下で一定の時間を計る、原始的なタイマーといえるアイテムです。時計の発達、さらに現代ではスマートフォンにもアラーム機能が当たり前に搭載されるに至り、すでに実用ツールとしての役目はほぼ終えたと言っていいでしょう。
そもそも砂を一定時間で落とすというシンプルすぎる機構のため、設計としてはすでに完成されています。ところが今回、革新的な機能を盛り込んだ「Tempo」がKickstarterに登場しました。
先週からプロジェクトが開始され、なんとたった2時間で目標資金の調達に成功。手がけているのは、かつて目標を短期間で実現するためのプランノート「SELF Journal」のクラウドファンディングを大成功させたBestSelf Co.です。
中央に備える意味ありげなバルブ機構が「Tempo」のキモ。これまでの砂時計にはできなかった、スゴイ機能が詰まっています |
砂時計の機能は砂を落とすだけなので、当然ながら計れるのは決まった時間だけ。違う時間を計りたければ複数の砂時計を用意するか、あるいは5分の砂時計を計り終えたらひっくり返して合計10分を計る・・・といった使い方になるでしょう。
ところがこの「Tempo」は、なんと中央のバルブ部分に搭載されたダイヤルを回すだけで計りたい時間が調節できるという、砂時計らしからぬ調節機能を持っているのです。計れるのは、「5分/10分/25分」の3パターン。なぜ切りのいい30分ではなく25分なのかというと、「25分間集中して作業し、5分間の休憩を入れる30分周期」が有効である、というBestSelfのマインドによるもののようです。
今すぐ仕切り直したい、ということが不可能だった従来の砂時計。待たずにすぐ計測できたり、時間を再設定できる便利な機能も付いています |
さらに面白いのは、これまた砂時計らしからぬ「クイックリセット機能」を搭載しているところ。砂時計は一度計り始めてしまえば、本来は砂が落ちきるまでやり直しがききません。それが「Tempo」の場合、ダイヤルを操作するだけでリセット、すぐに望みの時間を設定して計り直せるというから驚きです。
もっともどうやってリセットしているのか、詳細はよく分かりません。「砂が落ちるのを待つ必要はない」ということなので、ひょっとして砂の残量を把握して以降の落とす量を加減するのか、あるいはドサッと砂を全部落としてしまう(その後ひっくり返して使う)のか・・・ともあれ待たずにリセットできるのは、砂時計を使う上で便利この上ない機能と言えるでしょう。
タイムセレクターやクイックリリースバルブの設計には苦労したようで、この部分だけで数ヶ月をかけたとか。ちなみに砂を収める容器部分には、耐熱ガラスとして知られているホウケイ酸ガラスが使われています |
Kickstarterにおけるキャンペーンは2018年10月8日12:59(日本時間/UTC+09:00)まで、支援は80ドルから選択できます。すでにプロジェクトは成功していることから、2019年2月にも出荷が始まる見込みです。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
BestSelf Co.: https://bestself.co/