2018.09.06 19:00 更新
2018.09.06 取材
株式会社ロジクール(本社:東京都港区)は2018年9月6日、アメリカを中心に世界で評価の高い「ASTRO Gaming」ブランドのゲーミングヘッドセットについて、国内向け展開の開始を発表した。かつてチートとまで言われた、高性能なヘッドセット・アンプ製品がもうすぐ店頭にやってくる。
コアなゲーマーなら耳にしたことがあるハズ。ゲーミングヘッドセットのトップブランド「ASTRO Gaming」が、本格的に日本市場に進出することが決まった |
海外のプロゲーマーにも高い評価を受けている、「ASTRO Gaming」ブランドのゲーミングヘッドセットが正式に日本上陸を果たす。主にコンシューマゲーム機向けのハイエンドヘッドセットで知られる「ASTRO Gaming」は、もとはデザイン会社であるASTRO STUDIOSより独立して設立されたメーカーだ。アンプユニットを組み合わせた、デイジーチェーンによるチームボイスチャット機能などを備えた高性能なヘッドセットは、登場当初「あまりにも不公平」とされ、大会で禁止された過去もある。
「XBOX 360」や「ALIENWARE」のデザインを手がけたことで知られる、ASTRO STUDIOSから独立して設立。その後Logitechに買収され、国内では「ロジクールG」の姉妹ブランドとして展開される |
その「ASTRO Gaming」をロジクールのグローバル本社Logitechが2017年に買収。「Logitech G」(国内では「ロジクールG」)ブランドでゲーミングヘッドセットも手がける同社だが、基本的にはPCゲーミング向けの製品がほとんどを占める。そのため、コンシューマゲーム機に強い「ASTRO Gaming」を取り込むことで、PCゲームだけでなくゲーム機市場における覇権を狙っているというワケだ。
今回の発表会のために来日した、Logitech本社でASTRO GamingのDirector of Community Marketingを務めるThadeous Cooper氏 |
現在では、海外のプロゲーマーたちの多くに採用されるゲーミングヘッドセットのトップブランドに成長した「ASTRO Gaming」。2008年にアメリカ「Major League Gaming(MLG)」の公式パートナーとなるなど、多くの大規模eスポーツ大会にもデバイスを提供し存在感を高めている。
「スノーボードのBurton、バスケットボールにおけるNIKEのように、ゲーミングで『ASTRO Gaming』が連想されるような存在を目指す」とは、Logitech本社でASTRO Gamingのコミュニティマーケティングディレクターを務めるThadeous Cooper氏の言だ。
明瞭なサウンド、着脱式の単一指向性マイク、快適なクッションを備えた高性能ヘッドセット「A40」。プロゲーマーとの共同開発で生み出された、海外でも人気のハイエンドモデルだ |
そのASTRO Gamingから登場するゲーミングヘッドセットのハイエンドモデルが「ロジクール G Astro A40 TR ゲーミングヘッドセット(「A40」)」だ。プロゲーマーと共同開発した製品で、「すべての周波数と音量レベルでの明瞭さと音のディテールを追求した」と謳う。
特にPS4をはじめコンシューマゲーム機に最適化されており、アンプユニットの「ロジクール G Astro MixAmp Pro TR(「MixAmp」)」を接続することで、PS4でDolby Digitalの7.1chサラウンドサウンドを再生できる。
市場ではPCとコンシューマゲーム機の両環境で使えるサラウンド対応のヘッドセットが多数販売されているが、ことサラウンドに関してはPCのみ対応という製品がほとんど。ゲーム機でもサラウンドサウンドが再生できるトップクラスのヘッドセットは、実は貴重な存在なのだ。
PS4に接続するだけでサラウンド再生ができる、アンプユニットの「MixAmp」。側面には、アンプ同士を連結させるデイジーチェーン用の端子を備えている |
また「MixAmp」は、専用の光ケーブルを使用したデイジーチェーンにも対応。オンラインを介する通常のボイスチャットと異なり、直結ラグなしの通話が可能になる。
さらにゲームBGMと音声のバランス調整つまみを備えるほか、それらをミックスして出力できるストリーム出力端子を搭載するなど、ゲーム実況・配信向けの機能も充実。PC接続時には、ソフトウェアを使用した詳細なイコライザ設定にも対応する。
バンド部分などを無段階に調節できる「A40」は、カスタマイズ要素も豊富。イヤーパッドがマグネット着脱式になっており、特性の異なるオプションに換装できる |
ハイエンドモデルの「A40」は、オプションの「ロジクール G Astro A40 TR Mod Kit(「Mod Kit」)」を用いたカスタマイズ要素も大きな魅力。イヤーパッドやヘッドバンドのクッション部分がマグネット着脱式になっており、快適性の高いクッション地のタイプから、遮音性重視の合成皮革タイプに換装できる。
そのほか、「Mod Kit」には着脱式の高感度精密マイクから換装できる、高性能ブームマイクも同梱。イヤーパッド用の着せ替えプレートも付属する。
ヘッドバンド部分のプレートも取り外しが可能で、裏面のパッド部分の質感が変えられる。イヤーカップのプレートも着せ替えが可能だ |
手頃な選択肢として、エントリーモデルの「A10」を用意。アンプユニットを組み合わせれば、PS4のサラウンド再生にも対応する |
また、“ASTROクオリティ”を手軽に味わえるエントリーモデルとして「ロジクール G Astro A10 ゲーミングヘッドセット(「A10」)」も同時に発売される。
「A40」のようなカスタマイズ要素はなくマイクも固定型だが、特に耐久性を重視した設計になっている。Thadeous氏が「ゲーミングヘッドセットの中でも最も頑丈なモデルの一つ」と語るように、折り曲げたり多少乱暴に扱っても壊れにくい。
なお、「A40」同様にアンプユニットの「MixAmp」に対応。アンプを介してPS4に接続するだけでサラウンドサウンドが楽しめる。
音質やカスタマイズ要素は「A40」に譲りつつ、耐久性に振ったモデル。なお、両モデルともに、ケーブル半ばにはインラインユニットを備えている |
いずれも9月20日(木)より発売開始。ハイエンドモデルの「A40」は税抜18,880円でカスタマイズ用の「Mod Kit」は税抜7,750円、アンプユニット「MixAmp」は税抜18,750円、エントリーモデル「A10」が税抜8,750円となっている。また、「A40」と「MixAmp」のセットモデルも税抜31,250円で販売される予定だ。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
株式会社ロジクール: https://www.logicool.co.jp/