2018.09.21 12:00 更新
2018.09.21 取材
今年に誕生したばかりのオーディオハート株式会社(本社:千葉県)が小さなブースに持ち込んでいたのは、内部にグルリとスピーカーを内蔵した「Chair Style Speaker」だ。全方位を音に囲まれるフルスペックのホームシアターを実現する、卵型の“座れるスピーカー”を体験してみよう。
スピーカーユニットやサラウンドシステムの設計を手がけた技術者が立ち上げた、オーディオ専業のオーディオハートが“イス型スピーカー”を出展。音に包まれて座るという、ユニークなスタイルの音響体験が味わえる |
小さいながら行列の絶えないオーディオハートのブースに展示されていたのは、今年の5月から受注生産を行っている「Chair Style Speaker」こと「VRS-1」だ。ドルビーアトモスに対応する11.2chスピーカーを内蔵する文字通りの“イス型スピーカー”で、約1㎡という限られたスペースでフルスペックのホームシアター環境を実現する。
内部にはフロント2-Way、センター2-Way、サラウンド用8基、サブウーファーなど14基の独立したスピーカーを内蔵。着席したユーザーを取り囲むように、グルリと配置されている。内蔵されているスピーカーは、ユニットからネットワークまですべてオリジナル設計。フロントおよびセンター用のユニットはツィーターとウーファーが一体になっており、特にツィーターは可聴周波数の2倍を再生可能という、特許取得の超広域タイプだ。
独立した14基のスピーカーを内蔵、7-2-4ドルビーアトモスやDTS:Xなど多くのサラウンドフォーマットに対応する。低反発素材のクッションは、両側を取り外せば子供との二人掛けも可能という |
また、ユーザーの耳とスピーカー間の距離が近いことから、限られたボリュームでも大きな音量感が得られる点も特徴。卵型の防音硬質シェルは遮音性が高く、「周りに気兼ねなくサラウンド再生が楽しめる」(担当者)という、一般の住宅事情に配慮した構造になっている。
ちなみに「VRS-1」の販売価格は税抜980,000円。さすがに貫禄のお値段だが、本格的なホームシアターシステムを構築するのに比べればだいぶ安価に済む。省スペースかつ騒音問題への配慮も最小限というメリットは大きく、オーダーした好事家の評判も上々という。現在は直販による受注生産のみだが、大手量販店での展示の話も進行中とのこと。店頭で視聴できる機会もあるかもしれない。
卵型のシェルは、内部の音を外に漏らしにくい構造になっている。AVアンプに接続して駆動、下部のスタンド付近から3系統のケーブル(バナナプラグ)が延びている |
そして今回のイベントに合わせて、税抜680,000円で販売する低価格モデルの「VRS-2」が発表されている。
家庭用ゲーム機やVR向けを想定した製品で、「現在のゲーム機やゲームソフトは、ほとんど5.1chから7.2chまでのサラウンドで作られている」という事情に合わせ、スピーカー数を7.2ch構成に減らした。ヘッドレストやヘッドホンハンガーを兼ねたドリンクトレイなど、オーディオに無関係の装備も省略し、コストを抑えたという。
なお、こちらは10月にも正式リリース予定となっている。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
東京ゲームショウ2018: http://expo.nikkeibp.co.jp/tgs/2018/