2018.10.26 00:00 更新
2018.10.26 取材
Shenzhen GPD Technology Co., Ltd.(本社:中国)国内正規代理店の株式会社リンクスインターナショナル(本社:東京都千代田区)は2018年10月25日、7インチサイズのUMPC「GPD Pocket 2」の新製品発表会を開催した。大ヒットした初代モデルから、何がどのように変わったのか。正式発売迫るこのタイミングにて、予習を済ませておこう。
超小型のWindowsノート「GPD Pocket 2」の国内向け発売が目前に迫ってきた。初代の「GPD Pocket」からどう進化したのかチェックしよう |
かねてGPD Technologyよりリリースされていた、手乗りサイズの7インチUMPC「GPD Pocket 2」の国内向け販売がもうすぐスタートする。その完成度の高さから世界中で絶賛された「GPD Pocket」の後継モデルだ。
薄型・軽量のボディにWindows 10 Home(64bit)を搭載した端末で、第2世代モデルの「GPD Pocket 2」では初代から大幅に性能が向上。CPUが従来のAtomからCore m3-7Y30(最大2.6GHz)に変更され、CPU・GPU性能ともに2倍のパフォーマンスアップを果たしている。
今回の発表会のために来日した、GPD Technologyの汪俊征社長。自ら「GPD Pocket 2」の解説を行った | アルミ削り出しのユニボディを採用、外観はまるで小さいMacBookのようだ |
それでいてボディはさらに絞り込まれ、最薄部はわずか8mm、重量も15g軽量化して465gになった。冷却にヒートパイプとファンを組み合わせたアクティブクーリングを採用する点も特徴で、「一般的な超薄型ラップトップに比べ熱限界に余裕があり、高負荷が続いてもクロックが落ちない」(汪社長)というメリットがある。
なお、ライトなタスク向けに「ファン停止ボタン」も備え、普段使いでのノイズを抑えることも可能。確認したところ、動画再生程度ならファンレス動作で問題ないようだ。
初代「GPD Pocket」とのツーショット。サイズ感はそのままに、さらに薄型・軽量化を実現。パフォーマンスも大幅向上した |
CPU・GPUともに約2倍の性能アップ。ストレージもeMMCながら転送速度が大幅に向上しており、性能の違いが体感できるほど |
最薄部は8mmになり、よりシャープに生まれ変わった。くびれが入った流線型ボディのおかげで、薄型化が実感しやすい |
また、ノートPCとしての使い勝手を左右するキーボード部分も刷新。アイソレーションデザインの「Chocolateキーボード」は、初代モデルで採用されていたトラックポイントを廃止し、代わりに右上にタッチ操作の「光学式フィンガーナビ」を追加した。
汪社長によれば、「トラックポイントは内部に大きめのモジュールを必要とするため、キーボードレイアウトの制約も大きかった」とのこと。確かに「GPD Pocket」では複数サイズのキーが混在していたところ、「GPD Pocket 2」では、かなりスッキリしたレイアウトに変わっている。キーボード基板レベルでも、目立って薄型化が実現できたという。
新設計のキーボードもチェックポイント。配列がかなりキレイに整えられたほか、ポインティングデバイスに光学式タッチナビを採用。キーボード上部には、マウスクリックや「ファン停止ボタン」を並べたバーを備える |
インターフェイスが増強され、使い勝手はさらに向上。ヒンジも180°のベタ置きが可能なレベルに改良された |
最後に、主なスペックをまとめておこう。マルチタッチ対応の7インチディスプレイは解像度1,920×1,200ドット(323ppi)、CPUは前述のCore m3-7Y30(Intel HDグラフィックス615内蔵)、メモリは4GB/8GB、ストレージ128GBを内蔵。ネットワークはBluetooth 4.1と802.11ac無線LANをサポートする。
そのほか、インターフェイスも増強されており、USB3.0 Type-Aが2ポートに増えたほか、microSDスロットも追加。ハブ機能に対応したUSB3.0 Type-Cポートを活用すれば、4K映像出力など、さらに幅広い使い方ができる。Type-CはUSB PDの急速充電に対応しているため、従来通りモバイルバッテリーから電力を供給することも可能だ。
発表会には、ポータブルWindowsゲーム機の「GPD WIN2」をはじめ、GPD製のコンパクトデバイスが勢揃いしていた。なお、「GPD Pocket 2」のパッケージは先代からそれほど変わらないようだ |
リンクスインターナショナルが取り扱う代理店版の「GPD Pocket 2」は、11月上旬に発売予定。市場想定売価は82,000円~90,000円前後で、ビックカメラグループ(ビックカメラ、ソフマップなど)やヨドバシカメラなどの量販店、ツクモ各店で販売される。
なお汪社長によれば、すでにGPDは次なるデバイスの開発を進めており、「2019年にまったく新しい2機種のデバイスを投入する」予定という。詳細は“企業秘密”ながら、「GPD Pocket」や「GPD WIN」といった従来シリーズとは、コンセプトの異なる端末になるようだ。もっとも「GPD Pocket」シリーズがこれで終わるわけではなく、「まだ設計段階だが、『GPD Pocket/WIN』の新型は2020年の発売を予定している」とのこと。今後の続報に期待しよう。
開発中の次世代機について話してくれた汪社長。早くも次なる「GPD Pocket」の設計が始まっているほか、来年には「まったく新しいデバイス」が投入されるらしい |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
株式会社リンクスインターナショナル: http://www.links.co.jp/
Shenzhen GPD Technology Co., Ltd.: http://www.gpd.hk/