2018.12.27 09:00 更新
2018.12.27 取材
PCエンジンを携帯ゲーム機に改造できる工作キット「液晶操作機器搭載裏蓋壱號キット(メルクリウス)」が家電のケンちゃんに入荷。店頭価格は税抜11,852円で販売されたものの、人気により早々に完売してしまった。
あのPCエンジンが、どこでもプレイできる携帯ゲーム機に変身。サークル「team mercurius」による同人ハードで、発売直後に早々と売り切れに |
かつてNECホームエレクトロニクスが販売していた、ファミコン・スーパーファミコン競合世代の高性能ハード・PCエンジン向けの改造キット。液晶モジュールやコントローラ、ステレオスピーカーなどを組み込み、据え置き機であるPCエンジン本体を“携帯ゲーム機化”することができる。
これまでも個人レベルで携帯ゲーム機への改造を行っていた例は多数あったものの、工作キットとしての発売は極めて珍しい。同店の特殊ハードウェア担当・原田氏がプロデュースした製品で、「ごく限られた人だけができる改造ではなく、誰でも作れる工作キットにできないか考えた」というコンセプトにて、構想から半年ほどで販売にこぎ着けた。
PCエンジン本体の裏蓋を取り外し、必要パーツを組み込んで付属フレームを装着する。側面には、5V給電用のmicroUSBと電源スイッチ、イヤホンジャック、輝度調整・ボリューム調節用ダイヤルが並んでいる |
裏面に液晶を搭載するため、元のPCエンジンとは表裏が逆になる格好。拡張バスもそのまま残っているが、本体の厚みが大きく変わっていることから、そのまま拡張ユニットを接続することはできない |
対応機種は、白色の初代PCエンジン(PI-TG001)、PCエンジンコアグラフィックス(PI-TG3)、PCエンジンコアグラフィックスII(PI-TG7)。レトロハード向けの液晶制御基板「LCDDRV REV.3.2」と、それに対応する4インチ液晶モジュール(いずれも同店で販売中)、さらにパッド部分を構成する純正コントローラー(連射付2ボタン)を組み合わせ、ハンダ作業を経て完成する。完成品は、モバイルバッテリーなどのUSB電源(5V/1A以上推奨)を接続して動作させる仕様だ。
また、同店ではハンダ作業を含む組み立て工程を解説する「メルクリウス組立マニュアル」を公開。本来は「当たり前の手順」として説明が省略されている内容や“作業のコツ”に至るまで、画像つきで詳細に解説されている。「自分にできるかどうか、購入前に必ず一読してほしい」(ショップ)とのこと。
各種抵抗や基板、スピーカーなどのパーツが封入。3Dプリンターで製作したフレームも同梱されている |
動作するPCエンジンは当然だが、追加で液晶モジュールと液晶制御基板が必要になる点には留意。いずれも同店で販売されている |
「メルクリウス」は、付属フレームの色違いにて、グレー/ブラック/グリーン/レッドの合計4モデルが発売。いずれも具体的な時期は未定ながら、年明け以降の再入荷を予定している。
なお、完成に必要な液晶制御基板の「LCDDRV REV.3.2」は税込8,980円、液晶モジュールは税込2,980円。工作キットと合わせた金額は税込24,760円で、改造ベースとなるPCエンジンとコントローラーも別途必要となる。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
家電のケンちゃん: https://www.gdm.or.jp/shop/2017/0101/193926