2019.02.17 00:00 更新
2019.02.17 取材
ソフトバンクのサブブランドであるY!mobileは、低価格かつ通信も高速。SIMフリースマートフォンとの相性も抜群だ。徐々に人気を伸ばし、最近は自社サービス向けの端末としてiPhoneも販売している。しかしそのiPhoneには、どうやら特殊なSIMが入っているようだ。
ソフトバンクと言えば、iPhoneやAndroidスマホ、ガラケー、ガラホなどそれぞれにSIMの種類が分かれていて、しかもそれらに互換性がなく複雑。ではサブブランドのY!mobileはどうかと言えば、難しい分け方は一切されておらず、公式なAPNは1種類のみとシンプルだ。
しかも日本国内で販売されるSIMフリースマートフォンであれば、最初からY!mobileのAPNはプリセットされていることが多く、SIMを入れればすぐに使える。初心者でも安心して利用できるというワケだ。
Y!mobileの公式なAPN。ちなみにiPhone専用のAPNは公開されていない |
ところがiPhoneだけは少し事情が異なるようだ。Y!mobileが初めて発売したiPhoneはiPhone 5s。その後も6s、SE、7と続くのだが、中に入っているSIMカードは、普通のSIMフリー向けの物と異なることに気がついた。
とある日のこと。このiPhone専用SIMを間違えてソフトバンクのiPhone 6sに挿入したところ、何の問題もなく動作したのだ。その後、同じくソフトバンクのiPhone 6、7、8 Plus、さらにXにも挿入したが、やはり動作する。
本来であれば、他社のSIMを入れれば弾かれてしまうハズ。Y!mobileの一般的なSIMですら、SIMロックを解除していない限りソフトバンクのiPhoneに入れても弾かれてしまう。
Y!mobileでは発売されていない、ソフトバンクのiPhone 8に挿してもSIMロック解除なしで使えてしまう。これは一体どうしたことか? |
ここでちょっとした疑問が生まれた。ひょっとしたら、ソフトバンクは売れ残ったiPhoneの在庫をY!mobileにそのまま流しているのではないだろうか。そしてY!mobile向けiPhone専用と称して、実質的なソフトバンクのSIMカードを提供しているといった具合だ。
いやいや、そんなことあるわけがと思うかもしれない。しかし検証環境が整っている人は、ぜひ試してみてほしい。もちろん非公式な使い方であることから、今後も100%利用できるとは限らない。しかし歴代のソフトバンク版iPhoneに挿しただけでY!mobileのiPhone SIMが動くというのは、マニアな人なら大興奮な事案ではないだろうか。
俗に「n141」と呼ばれるSIMカード。興味がある人は調べてみよう |
文: フリーライター 太田 文浩