2019.05.29 09:00 更新
2019.05.29 取材
超弩級、というワードがぴったりなゲーミングノートを展示していたのがMicro-Star Int'l Co.,Ltd.(MSI)ブースだ。デスクトップ顔負けの超ハイエンド性能をオーバークロックで加速させ、さらにそれをねじ伏せる圧倒的な冷却能力が与えられたモデル。国内発売も決まっている、威風堂々な最新世代のフラッグシップを見に行こう。
MSIゲーミングノート最新世代のフラッグシップモデル「GT76 DT 9SG」。相変わらずノートPCとは思えない、豪華なスペックと機能が詰まっている |
さすがは長年に渡ってゲーミングノート市場で高いシェアを獲得しているMSI。最新世代のフラッグシップとして、またもや凄まじいモデルを投入してきた。
それがゲーミングノートブースの一等地に鎮座していた「GT76 DT 9SG」。最上位「Titan」シリーズの最新作で、デスクトップ版のCore i9-9900KとGeForce RTX 2080(こちらはモバイル仕様)を搭載した、最強クラスのスペックをもつモデルだ。
しかも搭載するCore i9は、ソフトウェアによる制御で全コア5GHzのオーバークロック動作が可能という。オーバークロックと聞けばやや冒険的な響きがあるものの、ファクトリーにて全個体が5GHz動作を確認した上で出荷されるため、心配はご無用。先日発表された「Core i9-9900KS」よろしく、製品としての仕様で全コア5GHz動作が可能というワケだ。
まるでスーパーカーのような雰囲気を放つ分厚いボディ。その内部にはデスクトップ版のCore i9とGeForce RTX 2080が詰め込まれている |
ノートPCながらCore i9の全コア5GHz動作に対応、RTX 2080を合わせた冷却を担うクーラー機構。無数のヒートパイプ、4基のファンで構成されている |
そうしたムチャをノートPCの身で可能にしているのが、これまた最新世代の冷却システムである「Cooler Boost Titan Technology」だ。CPUとGPUそれぞれのサーマルモジュールに合計11本の極太ヒートパイプが使われている極めて大掛かりなもので、全コア5GHz動作のCore i9+RTX 2080を冷却する苦労がうかがえる。冷却ファンも合わせて4基を内蔵、デュアルファン搭載のモデルに比べ2.25倍のエアフローを生み出すことが可能という。
そしてさらに驚かされるのが、冷却周りのフレームデザインだ。本体を持ち上げて裏面を見てみると、なんとクーラーが面するほぼすべての面積がメッシュ仕様、抜群の通気性が確保されている。
裏返してビックリ、なんと外側からクーラー機構が視認できるメッシュ仕様になっていた。出来るだけフレッシュなエアを直接取り込みたい、という設計思想が見て取れる。最大パワーを発揮させると、賑やかな展示会場でも耳に届くノイズレベルに |
ゲーミング仕様のギガビットLANをはじめ、豊富なインターフェイスを備える。キーボードはRGB仕様のSteelSeires製だ |
ディスプレイは3面狭額縁デザインの17.3インチサイズで、解像度は4Kまたは144Hz駆動のフルHD仕様をラインナップ。テンキーを備えたSteelSeires製のPre-Key RGBキーボード、ハイレゾ対応DACを内蔵したオーディオなど、いずれも第一級の機能が搭載される。
4KとフルHDどちらのディスプレイになるかなど、一部仕様は調整中なものの、すでに日本国内での取り扱いは確定。7~8月頃の発売を見込んでおり、価格は45万円前後という。従来の「Titan」シリーズとほぼ同等クラスに落ち着くようだ。
こちらはラインナップにおけるミドル級モデル「GE65 Raider」。最大構成でCore i9とGeForce RTX 2070を搭載、240Hz駆動のゲーミング液晶を備えている。ただし日本国内での発売は未定という |
「Titan」を見た後では、だいぶスリムに感じるボディ。こちらもゲーミンググレードの有線LANや従来の5倍の迫力が味わえるスピーカー、SteelSeiresのPre-Key RGBキーボードなどを備える |
シリーズ中で最もリーズナブルな「GP65 Leopard」は、7月頃の発売予定で22万円前後。最上構成でCore i7+GeForce RTX 2060、リフレッシュレート144HzのフルHD液晶を搭載。姉妹モデル同様に通気性に優れた設計だ |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
Micro-Star Int'l Co.,Ltd.(MSI): https://www.msi.com/
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