2019.05.30 12:00 更新
2019.05.30 取材
Cooler Master Technology(本社:台湾)は、COMPUTEX TAIPEI 2019において、ミドルタワーPCケース「MasterBox CM694」を披露した。長きにわたり定番モデルとして愛された「CM 690 III」の製造終了に伴い、同クラスの新定番として間もなく正式リリースが配信される。
フロントからトップにかけてのカーブとサイドのシルバーライン。そしてメッシュ素材の使い方を見て、多くの熱心な自作派ならあのPCケースを思い浮かべるだろう。「MasterBox CM694」は、ケージタイプの横置きシャドウベイを取り入れた元祖ミドルタワーPCケース「CM 690」シリーズの後継にあたる。
「MasterBox CM694」のトップパネル。デザインはどことなく「CM 690」に酷似しているものの時代は変わり、360mmサイズラジエターが搭載できるようになった |
そもそも「CM 690」シリーズがこれほどまでロングセラーになったのは、世界各国のPC組み込み業者に採用された事が最大の理由とされている。自作PC市場で人気があったことは確かだが、「Centurion 5」シリーズの穴を埋めた「CM 690」が長く製造された続けた背景には、定番のモデルチェンジを嫌う各国のベンダーやバイヤーの声があったから。ようやく製造中止を決め、まもなく販売が開始される「MasterBox CM694」には、通常とは異なる大きなプレッシャーが掛けられている。
そんな新作のトピックは、ストレージ収納力だ。冒頭でも触れたとおり「CM 690」(2007年発売)は他に先駆けてHDD横置きケージとABS樹脂製トレイを採用。ストレージ収納力に定評のPCケースとしてライバル達のお手本的な存在だった。そして「MasterBox CM694」もまた、専用トレイにひと工夫を加えた新機構を備えている。
フロントパネル裏手には、3.5インチHDDが合計6台収納できるセパレートタイプのシャドウベイを搭載 |
専用トレイは横方向にスライド伸縮。さらに3.5インチHDDマウント後、底面にも2.5インチが固定できるようになっている。つまりこのエリアの最大収納力は、3.5インチ6台、2.5インチ6台というワケだ |
さらに5.25インチオープンベイ2段分を維持。マザーボードトレイ背面にも2台分の2.5インチシャドウベイが装備されている。ともすればオールドスタイルにも見えるが、この辺りに定番の入れ替えによる改悪の声を避けた形跡が窺える。
なお冷却ファンは、フロントとトップが120mmx3、リアが120mmx1。ラジエターはフロントとトップに最大360mmサイズがマウントできるが、フロントに限ってはシャドウベイのポジションを後方に移動させ、5.25インチオープンベイのブラケットを取り外す必要がある。
強化ガラス製サイドパネルモデルには、電源ユニットを覆い隠すボトムカバーが標準装備 | 長尺グラフィックスカードの歪みを防止するVGAホルダー機能も備え付けられている |
ラインナップは、左サイドパネルが強化ガラス製と密閉型スチール製の2タイプを用意。市場想定売価は前者が税抜17,480円、後者が税抜16,480円。日本国内では6月21日の発売が予定されている。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
Cooler Master Technology: https://apac.coolermaster.com/jp/
COMPUTEX TAIPEI 2019 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2019/