2019.05.30 01:39 更新
2019.05.30 取材
Cooler Master Technology(本社:台湾)が面白い電源ユニットを構想しているようだ。コンセプトモデルとして持ち込まれた「PROJECT FANLESS」なる製品がそれだが、何やら同じコーナーには一緒に冷却ファンも並んでいる。いったいどういうことだろう。
ファンレスで動作する、80PLUS PLATINUM認証のフルモジュラー電源ユニット。ただし単にファンレスで終わらないところが、コンセプトモデルたる所以だ |
Cooler Masterブースで見つけた、ちょっと変わった電源ユニット。それがコンセプトモデルの「PROJECT FANLESS」製品だ。80PLUS PLATINUM認証を取得した高効率モデルで、ファンレスと名がついているように、そのままでは容量650Wのファンレス電源として動作する。
ところがこの製品にはある仕掛けが用意されており、専用ブラケットに冷却ファンを搭載することで、なんと1000Wの電源ユニットに早変わりする。ファンの有無で電源容量が可変するという、野心的なコンセプトだ。
通常ではファンを搭載していないものの、スライドレールで引き出されるブラケットにファンを組み込むことができる設計。冷却能力を向上させれば、最大1000Wを出力可能になる |
冷却ファンの有無は、専用ブラケットに用意されたコネクタで判別する仕組み。冷却ファンは120mm口径の汎用モデルが使用可能で、1000Wで動作させるには「1,500rpm以上のファンが必要になる」(担当者)とのこと。
つまり電源ユニットとしては1000Wの出力が可能な設計になっているが、ファンなしでは熱の問題で650Wまでが限界。性能をフルに発揮させるためには、1000W出力時の冷却要求に応えるファンが必要になる、というワケだ。
なお、ブースのマーケティング担当者によれば、冷却コンセプトの選択以外に「ユーザーが好みのファンを選べるようになる」という、ファン換装の自由度が高まるメリットもあるようだ。
ファン搭載用のブラケット。展示機は専用コネクタだったが、もし製品化されれば汎用ファンが接続可能という。ただし1000W出力には1,500rpm以上のファンが必要だ |
ファンレスか、ファンを付けて売るのかで展開方法は変わってくる。会場には、650Wと1000Wそれぞれのシールが貼られた展示機が用意されていた |
ちなみにコンセプトモデルとあって、具体的な発売予定や価格などは決まっていない。もし販売するとしても、「(ファンを搭載すれば1000W電源になる)650Wモデル」と「(ファンを取り外せば650Wのファンレス電源になる)1000Wモデル」のどちらのスタイルにするのか、といったこともまだ検討中という。皆さんはどちらがお好みかしら?
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
Cooler Master Technology: https://www.coolermaster.com/
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