2019.05.30 10:28 更新
2019.05.30 取材
実際に製品化されるかはさておき、様々なコンセプトモデルが眺められるのも展示会の醍醐味。SuperO(Super Micro)ブースでに展示されていた、可変式の小型ワークステーション「Compact Workstation」もそうした1台だ。
「Compact Workstation」という、分かりやすいネーミングの試作機。Mini-ITXサイズの小型ワークステーションを構築できる |
ワークステーションとしてはかなりコンパクトな部類に入る、その名も「Compact Workstation」を見ていこう。
側面からQuadro RTX 4000が覗く筐体は、この状態で11リットルサイズ。Mini-ITXフォームファクタに対応するケースが採用されており、「小型で実用的なクリエイター向けマシンを作りたい」というコンセプトが設計のスタートラインになっている。
しかしこの状態は、いわば“第2形態”。実はグラフィックスカードを収めた部分は拡張ユニットにあたり、ベースユニットのみの運用であれば、さらなる小型化が可能なのだ。
いかにも分割できそうな外観通り、真っ二つにユニットが分かれる仕様。実はグラフィックス部分のユニットは、拡張用のオプションだった |
グラフィックス不要の環境なら、半分近くにサイズダウン。拡張ユニットを取り去って、“第1形態”用のサイドパネルを取り付けた姿がコレだ |
そもそもシステムの構成はユーザーのニーズに応じて変わるため、小さい構成で十分な場合は、どうしてもケース内に無駄なスペースが生じてしまう。そこで必要な構成に合わせて、ケースのサイズ自体を変えてしまおう、というのが「Compact Workstation」の狙いだ。
グラフィックスカードが必要な場合は、サイドパネルを取り外して拡張ユニットをドッキング。グラフィックスカードはライザーケーブルで接続される仕様で、2スロット占有のカードも搭載できる。
内部をチェックすると、Noctua製のクーラーが搭載済み。空冷ならロープロ仕様が前提で、オプションで水冷仕様も選択できるという。TDP95WクラスのCPUを搭載するなら、水冷が推奨される |
フロントはファン2基を備え、ほぼ全面を吸気に利用している。なお、展示基の電源ユニットは250Wだったが、もし製品化されれば350Wモデルも選択できるとか |
ちなみに製品化は前向きに検討されているものの、販売形態を含め未定の部分が多い。実際にシステムを組み込んだワークステーションとしての出荷を想定しているのはもちろん、「組み込むパーツはユーザーに委ねた方が好評なのでは」(代理店関係者)との声も。確かにケース単体として考えても、十分アリなアイテムだ。
何はともあれ、実際に製品化される際はさらなるブラッシュアップを図るとのこと。完成版のリリースはいつになるだろうか。
ニーズに合わせてサイズを変えられる、ケースとしても面白いコンセプトモデル。さらに設計を煮詰めつつ、完成度を高めた状態での製品化を目指している |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
Super Micro Computer, Inc.: http://www.supermicro.com/
COMPUTEX TAIPEI 2019 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2019/