2019.06.01 01:44 更新
2019.06.01 取材
RASCOM Computerdistribution(本社:オーストリア)が展開するNoctuaブランド。COMPUTEX TAIPEI 2019では、フラッグシップモデル「NH-D15」シリーズの後継にあたるプロトタイプモデル「Next-generation 140mm D-type」を公開。冷却性能を高めるための改良点を早速チェックしていこう。
Noctuaの最新フラッグシップのプロトタイプ。どういった改良により、冷却性能を高めているのだろうか |
空冷最強ブランドNoctua製品の中でも、フラッグシップに位置づけられる「NH-D15」シリーズに、遂に後継モデルが登場することになる。
担当者に確認したところ、最も冷却性能に大きな影響を与えたのが6本(左)から7本(右)へと増やされたヒートパイプだという |
今回COMPUTEX TAIPEI 2019に持ち込まれたプロトタイプモデル「Next-generation 140mm D-type」は、ベースとなるツインタワー構造と、2基の140×150×25mmファンを搭載するスタイルを継承しつつ、熱伝導効率を高めるため、受熱ベースのヒートパイプが6本から7本へと1本追加されている。
さらにヒートシンクの面積も10%拡大されており、ブースで行われていたテストでは、ヒートシンク以外全く同じ環境で、約1.5℃もCPUの温度を下げることに成功。またRyzen Threadripperシリーズを使用したテストデモでは、CPUの消費電力が400Wを超えるにもかかわらず、全コアフルロード動作を可能にしていた。
ヒートシンク以外の条件をほぼ同じにして、280Wの発熱を想定したテストでは、従来モデルから約1.5℃温度が低下した |
そして一部のマザーボードで発生していた、PCI-Expressスロットの干渉問題を解消するため、ヒートシンク部分を若干上側に配置するアシンメトリーデザインを採用。これにより、現行ほぼ全てのマザーボードで、最上段のPCI-Expressスロットが利用できるようになったという。
アシメントリーデザインの採用により、バックプレートを搭載するような大型のグラフィックスカードでも干渉せずに取り付けられる |
製品ラインナップはAMD Socket TR4向けと、それ以外の2モデル展開。今回ブースに展示されていたプロトタイプは、すでに完成度がかなり高く感じたが、ここからさらにブラッシュアップを加え、2020年Q1発売を目標に開発が進められている。
受熱ベースとマウンタの違いにより、2モデルがラインナップ |
またブースには「NF-A12x25」と同様の技術で作られた、140mmファンのプロトタイプモデル「Next generation 140mm A-series fan」も展示されていた。
「Next generation 140mm A-series fan」が完成すれば、もちろん冷却性能をさらに引き上げることができるという |
そこで、このクーラーで採用されるのか確認したところ、残念ながらファンの開発が間に合わず、「その次のモデルでの採用を目標にしている」(担当者談)とのことだった。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
RASCOM Computerdistribution(Noctua): http://www.noctua.at/
COMPUTEX TAIPEI 2019 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2019/