2019.06.02 17:16 更新
2019.06.02 取材
SilverStone Technology(本社:台湾)かつての代表作「RAVEN」シリーズの存在が危ぶまれている。最先端を行く設計も、そろそろ見直しの頃。サンプルを作ってはみたものの、どうにも迷いが感じられた。
「RAVEN」と言えば、一世を風靡したSilverStoneの代名詞的存在。マザーボード90°回転レイアウトをベースに最終型にして詳細検証を行った「RAVEN 5」(型番:RV05/ 2014年)では、正圧設計をより強力にするAir Penetrator 180mmファン2基を底面に設置。静音性を保ちながら、高い防塵性能を得意とした。
ちなみに初代「RAVEN」(型番:SST-RV01B)は2009年1月にリリースされているが、当時から設計思想は変わらないまま、早くも10年が経過している。
そこで今年のCOMPUTEXでは、現在の流行に合わせた”改良型RAVEN”を、半ば試験的に持ち込んだ。内部構造の刷新を目論むSilverStoneの開発陣は、DIY水冷への対応が最大の焦点とし、2011年にリリースされた「RAVEN 3」(型番:SST-RV03B)を改良。市場の反応を見ようという試みだ。
90°回転レイアウトを採用するだけに、組み込みやメンテナンスを行う際には右サイドパネルを解放。フロントパネルは光沢のある立体的なデザインを採用 |
フロントパネルと見間違う、V字デザインがいかにも「RAVEN」風のリアカバー |
ベースモデル「RAVEN 3」から前後パネルを付け替え。さらに5.25インチ全7段はすべて取り払い、右サイドパネルに正対するようラジエターを搭載させた。さらにAir Penetrator 180mmの最新版「AP180」をボトム面に内蔵。その上にポンプ一体型リザーバーを固定し、フル水冷システムを作り上げている。
STAFFによると、フロントおよび左右の3面に強化ガラスが採用予定。ボトム面に対して垂直マウントされるウォーターブロック付きグラフィックスカードは、基板幅からはみ出るフィッティング部分がサイドパネルに干渉するため、全体的にサイズを見直す方向にあるそうだ。
現状ややちぐはぐ感は否めない改良型RAVEN。近い将来、全く違ったカタチに生まれ変わるかもしれない。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
SilverStone Technology: https://www.silverstonetek.com/
COMPUTEX TAIPEI 2019 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2019/