2019.06.03 19:41 更新
2019.06.03 取材
Alphacool international gmbh(本社:ドイツ)のブースレポートその2は、ガラリと趣向を変え、同社が最近力を入れているという、サーバー向け水冷システムを紹介しよう。1Uラックマウントにも対応し、薄型ながら高性能なサーバーを構築できるようになる。
専用ラックに収納できることから、タワー型に比べて高密度化が可能なラックマウントサーバー。その一方で、1U(40mm)や2U(80mm)サイズでは、搭載できる冷却ファンやクーラーが限られるため、高性能なCPUを搭載するのが難しいという欠点がある。この問題を解消するためAlphacoolは、1Uにも対応するラックマウント向け水冷システムを開発した。
いずれもリザーバータンクをラジエター側面に実装することで、省スペース化を実現。またポンプユニットには、接続箇所を通常の製品より多く設けることで、ケース内の空いているスペースを有効活用できるようにした。
できる限り柔軟な設置ができるよう、ポンプユニットには接続箇所が多く設けられている。また連結にも対応し、冷却性能をさらに高めることもできる |
さらに常時稼働が求められるサーバーシステムでは、定期的なメンテナンスが難しいことを考慮し、ウォーターチューブも丈夫で、クーラント液の蒸発が少ない素材を採用。コンシューマ向け製品との比較では、蒸発量は5分の1から10分の1まで削減できたという。
丈夫で、クーラント液の蒸発が少ない素材を採用するウォーターチューブ。コンシューマ向けより、硬いため取り回しは難しくなるが、頻繁に内部構成をいじるわけではないので大きな問題にはならない |
また冷却性能については、冷却ファンをそのまま搭載した状態であれば、1Uサイズで1,500Wクラスまで対応。シングルCPU環境であれば、システムファンの数を半分程度まで減らしても全く問題がなかったとのこと。なおAlphacoolでは、1Uから4Uまでの4種類のシステムを用意している。
ブースには1U向け以外の水冷システムも展示されていた。なお4Uになると、一般的なタワー型PCと同じシステムが利用できるため、要望の多くは1Uから3Uとのこと |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
Alphacool GmbH: http://www.alphacool.com/
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