2019.06.28 11:00 更新
2019.06.28 取材
Mad Catz Global(本社:香港)は2019年6月27日、秋葉原にてゲーミングデバイスの新製品発表会を開催した。市場から姿を消していたMad Catzブランドが再び店頭に帰ってくる。
日本への“再上陸”を掲げ、新生Mad Catzが発表会を開催。再びあの独特なデバイスたちが市場に戻ってくる |
ゲーミングデバイスの巨人として知られていたMad Catzが、2017年3月に突如倒産した際には、驚いたファンも多かっただろう。Mad Catzは1989年にアメリカで設立され、ギミック要素豊富な独特のマウスをはじめ、キーボードやアーケードスティックの秀作を手がけ、一時代を築いた。しかしAndroidゲーム機「M.O.J.O.」や音楽ゲーム「Rock Band」専用コントローラなど事業の失敗が続き、あえなく倒産となった。
そして一時期市場から姿を消すことになったワケだが、2018年1月には早々にカムバック。香港資本の手により「Mad Catz Global」として復活を果たしている。
Mad Catz Global本社でGeneral Managerを務めるBill Lo氏。新生Mad Catzの取り組みや今後の製品展開について語った |
その新生Mad Catzは、台湾に実質的なヘッドクオーターを置き、再び世界市場への展開を開始。従来モデルの金型など“資産”を継承しつつ、新しい経営陣のもとで続々と製品をリリースしている。そしてこのほど秋葉原に居を構える廣瀬無線電機株式会社が国内代理店となり、日本市場への再上陸が決まった。
国内取り扱いの第一弾はゲーミングマウスで、マウスパッドやキーボードなど、他カテゴリの製品も順次リリース予定。まだ具体化はしていないものの、アーケードスティック製品も新規開発が決まっているという。また、Mad Catzといえば、かつてウメハラこと梅原大吾氏とのプロモーション契約で知られていたが、ブランド再起にあたり、今後の日本におけるプロゲーマーへのスポンサードも積極的に検討しているそうだ。
既存製品のリニューアルだけでなく、新技術を投入した製品開発にも注力。日本市場でもフォーカスグループによる事前リサーチと、それを受けた製品へのフィードバックを想定しているという |
国内代理店についた廣瀬無線電機を代表して、常務取締役営業本部長の菊池孝二氏が登壇し挨拶した | 廣瀬無線電機 営業本部第二営業部部長の井原孝氏。後述する発売記念のキャンペーンについて解説した |
Mad Catzらしいデザインはそのまま、最新スペックにアップグレードされたハイエンドモデル「R.A.T. 8+」 |
日本市場で新規取扱いがスタートするのはゲーミングマウス3製品で、その中で最もハイエンドなモデルが「R.A.T. 8+」だ。「R.A.T. 8」のデザインを継承しつつ、センサーなど“中身”を最新仕様にアップグレードしたリニューアルモデルにあたる。
マウスセンサーは最大16,000dpiに対応するPixart「PMW3389」を搭載し、最大トラッキング速度400IPS、最大加速度50Gといったスペック。プログラム可能な全11ボタン(全モデルオムロン製を採用)を搭載している。
また、パームレストの位置調整に加え、換装用パームレストによる形状のカスタマイズに対応。ウェイト調整も可能で、最初に投入されるモデルの中では最も自由度が高い。外形寸法はW87.4×D118.4×H38.1mm、重量145g。
センサーが従来モデルから最大16,000dpiのPixart「PMW3389」に変更。ボタン数やレイアウトは「R.A.T. 8」を踏襲している |
手のひらへのフィット感を追求した、カスタマイズ可能なギミック要素が魅力。形状の異なる換装用パームレストが付属する |
こちらは最大12,000dpiセンサーを搭載する「R.A.T. 6+」 |
その一つ下のモデルとなる「R.A.T. 6+」は「R.A.T. 6」のリニューアル版で、マウスセンサーが最大12,000dpiのPixart「PMW3360」に刷新されている。
最大トラッキング速度200IPS、最大加速度50Gに対応、全11ボタンを搭載。パームレスト換装は非対応だが、パームレストの位置調整とウェイト調整が可能だ。外形寸法W87.4×D114.6×H38.1mm、重量120g。
センサースペック以外では、パームレスト換装に対応しない点が「R.A.T. 8+」との大きな違いだ |
パフォーマンスモデル「R.A.T. 4」のリニューアル版にあたる「R.A.T. 4+」は、最大7,200dpiのPixart「PMW3330」センサーを搭載する。
最大トラッキング速度150IPS、最大加速度30G、全9ボタンを実装。パームレストの位置調整に対応しているが、ウェイト調整はオミットされている。外形寸法はW87.4×D109.5×H37.8mm。重量は90gで、3モデル中で最も軽量だ。
今月発売される3モデル中では、末っ子にあたる「R.A.T. 4+」。スペックやカスタマイズ要素は他の2モデルに比べ控えめだが、最も軽い |
6月28日より販売が開始されるゲーミングマウス3製品の市場想定価格は、「R.A.T. 8+」が税抜12,800円、「R.A.T. 6+」が税抜9,980円、「R.A.T. 4+」が税抜7,980円。ただしヨドバシカメラ協賛の発売記念キャンペーンにより、7月31日(水)までの期間限定でそれぞれ税込12,430円、税込9,690円、税込7,740円で販売される。税抜ベースでは、およそ10%引き相当の割引だ。
ヨドバシカメラによる先行販売という形式で、その他ショップではキャンペーン終了後に順次販売が始まる予定。アキバのパーツショップに再びMad Catz製品が並ぶのは、それまでおあずけだ。
初回はヨドバシカメラの専売で、キャンペーン終了後にその他販路での販売がスタートする。なお、旧Mad Catz製品のユーザーに対しては、後日同内容の優待販売を実施予定とのこと |