2019.06.30 09:00 更新
2019.06.30 取材
PCやスマホ三昧の僕らに潤いの1冊・・・。旅する書評家・北村有さんが"これぞ”と思った本を紹介してくれます。週末くらいは液晶画面から離れて、ゆっくり読書を楽しみましょう。
スティーブ・ジョブズが黒いタートルネックにジーンズ、足元はスニーカーという服装で毎日通していた話は有名ですよね。私自身、ここまでとは言いませんが、冬にはセーターにジーンズ、夏にはTシャツにスカートと、ある程度の型を決めてしまっています。いわば、「私服の制服化」というやつかもしれません。
こんにちは、旅する書評家の北村です。
旅する、と言いながら、5月は札幌でまったりとお休みモードな日が多いです。6月から年内にかけて再び慌ただしい日常が待っていることが予感できているので、それまでの休暇ということにしています。
そんな中で手にとったのは、少し前に書店で平積みにされていた「なぜジョブズは、黒いタートルネックしか着なかったのか?」という1冊。黄色い表紙に、ジョブズのイラストがなんとも印象的なこの本を選んだのは、あらためて「マイルール」の大切さが身に沁みているからでした。
今回は、そんなマイルールについてお話したいと思います。
なぜジョブズは、黒いタートルネックしか着なかったのか? 〜真の幸せを生きるためのマイルール28〜 (A-Works) 著者:ひすいこたろう / 滝本 洋平 2016年11月25日発売(305ページ) 定価:1,404円(税込) 判型/仕様:単行本(ソフトカバー) ISBN:978-4902256758 |
突然ですが、あなたには「マイルール」、ありますか?
自分によって決められた、自分にしか課せられていない、独自のルール。
この本になぞらえていうと、「着る服は黒いタートルネックとジーンズに限る」としたジョブズの例がそれですね。この他にも、様々な偉人・有名人のマイルールが紹介されているのが本書です。
成功をおさめた優秀な人物たちのマイルールについて見ていると、心から納得できるものもあれば、ちょっと極端すぎるのでは、と思うものも。それでも、あえてマイルールを決めることで目指している境地は、人生の中から余分なものを捨て去って、目標達成へ邁進する体制づくりなのだということが見えてきます。
そう。どうしても達成したい夢や目標がある。
そんなときに必要となってくるのが、マイルールなんです。
「マイルール? 特にそんなもの、決めてないなあ……」
そんなあなたは、ぜひ本書を開きながら、自分なりのマイルールを探ってみてください。
「必要なのは勇気ではなく覚悟。覚悟を決めれば、すべてが動き始める」
行動する際、何かを判断する際に必要なのは、勇気ではなく覚悟なのかもしれません。
私にも、いくつかのマイルールがあります。幼い頃から長年守ってきたものなどではなく、あらゆる「覚悟」のもとで決定したものです。
この機会に、いくつかご紹介しますね。
かつて、大学時代や社会人になりたての頃は、人並みにお酒を飲んだこともありました。ストレスが高じて、喫煙していた時期もあります。
お酒やタバコがそのまま悪に繋がるとは決して思いません。お酒が繋いでくれたご縁もありますし、普段は口にできないような素直な気持ちも、アルコールの力を借りれば伝えることができました。
タバコについてもそう。喫煙所でしか生まれないコミュニケーションは独特なものだと、今でも思います。たまたま居合わせた者同士の、数分間の交流。「タバコを吸う」以外には何もしていない状況の中で、相手の意外な一面を知ったりすることもありました。
その上で、私は現在、一切のお酒とタバコを断っています。
なぜかと訊かれれば答えはシンプルです。どちらも美味しいと感じられないから。
お酒が好き、タバコがやめられないという方にはお伝えしにくいことですが、純粋にお酒やタバコを美味しいと思ったことがありません。あくまで、その場の交流を重視し、「お酒を飲まなければ白けるかな」「禁煙したと知られたら気まずくなるかな」と判断してのこと。
たったそれだけのために、身体を痛めつけるようなことはやめようと思ったのです。
お酒よりも美味しいと思える烏龍茶で充分。タバコは吸っていない状態の方が心地良い。そう感じるようになってから、マイルールとして禁酒・禁煙を続けています。
早寝早起きの習慣・マイルールに関しても、上記と同じことがいえるかもしれません。
人との食事や会合など、イベントごとは何かと夜の時間帯に催されるもの。帰りは終電ギリギリ、なんてことになると、寝るのは深夜近くになってしまいます。
自分が最も心地よく、体調を維持していられる習慣は、夜21時就寝の朝5時起床。休日も平日も(今の私にとっては、この区別はありませんが)、日によってこの時間をずらすことは滅多にありません。よって、出来る限り夜のイベントはお断りしています。
この習慣によって、逃してしまうご縁があるかもしれません。それでも、このマイルールによって得られる新しいご縁のほうに、価値を感じたいと思っています。
「酒もタバコもやらないで、何が楽しいんだ?」「そんなに早く寝るなんて人生損してるよ」
これまで、いろんなことを言われてきました。
それでも自分の幸せの尺度は決して他人にはかることはできません。相対的な幸福ではなく、あくまでも私は、自分で自分が幸せでいられる生き方をしていきたいと思います。
あなたも、自分1人で考える時間を少しだけとってみて、マイルールについて考えてみてください。あなたが、最も心地良い生き方を選択することができますように。
北村有(きたむら・ゆう) 国内一人旅と読書が趣味なフリーライター・旅する書評家。 ブログ:https://kitayu.net Twitter:https://twitter.com/yuu_uu_ |
文: フリーライター・旅する書評家 北村 有