2019.07.09 22:34 更新
2019.07.09 取材
VAIO株式会社(本社:長野県安曇野市)は2019年7月9日、同社設立5周年を記念した新製品発表会を開催。“メインマシンの最小形”をコンセプトに掲げる、新たなモバイルノートPCを発表した。
ソニーから日本産業パートナーズ株式会社に譲渡され、2014年7月1日よりVAIO株式会社として始動。今月に設立5周年を迎えた |
ソニーから切り離され、2014年7月1日より独立会社としての道を歩んできたVAIO株式会社。それから5年を経た2019年7月9日、都内にて5周年を記念した新製品発表会を開催した。
発表会冒頭で登壇した代表取締役社長の吉田秀俊氏は「ブランド力を落とさずに、どのように事業を維持・拡大していくかが課題だった」と、これまでの5年間を振り返る。独立以降は特に法人向け事業が躍進し、「独立当初はBtoCが90%を占めていた」というPC販売台数は、いまや法人向けPCが約72%までを占めるまでに成長。VAIOの屋台骨を支えている。
また、BtoC分野でもハイスペック志向の製品やLTE対応モデルなど、付加価値の高さを追求した製品展開が奏功。全世界18地域へのグローバル展開も果たし、現在はロボット分野を軸とした受託製造(EMS)事業にも手を広げている。
代表取締役社長の吉田秀俊氏。「ファン(信じてくれる人)と歩んだ5年間だった」と語る |
2016年に早くも黒字化を達成したVAIO。法人向け事業が特に好調で、BtoC分野も付加価値を追求する姿勢がファンを惹きつけた |
新製品発表を行った、取締役執行役員の林薫氏。ソニー時代のVAIOノートから製品展開を振り返った |
現在主流の13.3インチワイドのスタイルはVAIOから誕生。今回発表される新製品は、モバイラー向けサブノートの性格も取り込んだ、新しいスタンダードを目指すモデルになるという |
製品解説を担当した、PC事業部PC事業企画課課長の黒崎大輔氏。ゲストとして登壇した、Domani専属表紙モデル望月芹名さんとのトークセッションも行われた |
仕事用モバイルノートの新スタンダードを目指す「VAIO SX12」。メインマシンとして使える実力と、サブノートの軽快さを両立させている |
VAIOから新たに発表されたのが、“メインマシンの最小形”をコンセプトに掲げた12.5インチノート「VAIO SX12」だ。メインマシンとしてのパフォーマンス・生産性に加え、軽快なサブノートとしての魅力を併せ持つモデルとして投入される。
A4用紙より小さいフットプリントで、最大重量は約897gと軽く厚みも最薄部で約15.7mmと、サイズ感は従来のサブノート「VAIO S11」とほぼ同等だ。それでいて画面サイズは11.6インチから狭額縁化により12.5インチに拡大。「仕事用メインマシンとして欠かせない要素」として挙げられる、フルピッチキーボードも搭載した。
基本仕様は最大構成で第8世代Core i7に16GBメモリ、1TB NVMe SSDなど。こちらもメインマシンに相応しいスペックが組み込まれる。
「サブノートに足りなかったのは画面サイズとキーボード」と分析。キーボードは横幅いっぱいにフルピッチ約19mmのキーが収められている |
拡張性もメインマシンとしての使い勝手を支える要素。軽く薄く小さい筐体に“フル装備”のインターフェイスを詰め込んだ |
また、“フル装備”を謳う豊富なインターフェイスも特徴。複数のUSBポートやUSB PD充電に対応したType-Cポート、SDカードスロット、4K出力対応のHDMIに加え、「日本特有のビジネス事情に配慮した」というD-Subや有線LANのようなレガシーポートも完備した。
サブノート級の薄さと横幅いっぱいのキーボードを備え、さらにこれだけのインターフェイスを組み込むことは、かなりのチャレンジだったとのこと。背の高いICを最適な位置に移動させるなど、基板設計から大いにこだわった。それでいて最長約14.5時間のバッテリー駆動が可能という、十分なスタミナも備えている。
モバイルバッテリーやUSB充電器から給電できるType-Cポートをはじめ、最新機種に相応しいポートを搭載。加えてレガシーポートも同時に備えている |
基本モデルのカラーは全4色。ディスプレイを展開すると、ヒンジがスタンド代わりになり、キーボードに傾斜がつく設計になっている |
LTE対応モデルもラインナップする「VAIO SX12」は、市場想定価格が税抜119,800円から。法人向けモデル「VAIO Pro PJ」は税抜122,800円から販売される。基本のカラーバリエーションは、ブラック、シルバー、ブラウン、ピンクの4色展開だ。
そのほか、カラーを黒で統一したプレミアムエディション「VAIO SX12 | ALL BLACK EDITION」も税抜201,800円から販売される。
漆黒の「ALL BLACK EDITION」は、ソニーマーケティングとVAIO直販で販売。無刻印キーボードモデルも選べる |