2019.10.02 13:30 更新
2019.10.02 取材
EIZO株式会社(本社:石川県白山市)は2019年9月某日、東京ショールーム「EIZOガレリア銀座」にて、メディア向け新製品発表会を開催。同社初の有機ELディスプレイ「FORIS NOVA」を発表した。
EIZO初の有機ELディスプレイ「FORIS NOVA」。ディスプレイサイズは21.6インチで、解像度は4Kに対応する |
NetflixやAmazon Prime Video、dTVといった動画配信サービスの普及によって、リビングで家族全員が同じコンテンツを楽しむ形から、それぞれがプライベートな環境で、好みのコンテンツを楽しむ形へと変わりつつある動画の視聴環境。さらに最近では、動画配信サービスでも4Kの高解像度作品や、ハイダイナミックレンジに対応する作品が増え、高画質な映像コンテンツを楽しめるようになってきた。
しかし、多くのユーザーがプライベートな環境で視聴に使っている小型ディスプレイやノートPC、スマートフォンでは、表示能力に限界があり、制作者が映像コンテンツに込めた意図を忠実に再現するのは難しい。
「FORIS NOVA」を使えば、プライベートな空間でも、4K HDRなどの高画質動画コンテンツの魅力を余すことなく堪能できる |
そこでEIZOが新たに開発したのが、同社初の有機ELディスプレイ「FORIS NOVA」だ。書斎などのプライベート空間にちょうどいい21.6インチサイズながら、4K(3,840×2,160ドット)の高解像度表示に対応。そしてパネルに自発光方式の有機ELを採用したことで、一般的な液晶ディスプレイでは、不可能だった完全な黒色を再現できる。
EIZOの「映像制作向け液晶ディスプレイ」(左)と「FORIS NOVA」(右)による暗室での画質の比較。液晶では、バックライトがあるため完全な黒色を表現できていないのがわかる |
さらに低階調なシーンや、明暗の混在したシーンでも細部まで忠実に再現できる100万:1の高コントラスト表示や、人間の視覚特性に合わせた幅広い明暗の表示ができる「HDR10」、4K放送に用いられる「HLG」、一般的なディスプレイの約1.5倍となる「BT.2020」を80%カバーする広色域表示により、制作者が映像に込めた意図を忠実に表現できるようになったという。
水平/垂直178°の広視野角表示に加え、リフレッシュレート60Hz、応答速度0.04msに対応し、動きの早い映像も残像感なく滑らかに表示できる |
有機ELパネルはJOLED製で、表面加工は映り込みの少ないアンチグレア。主なスペックは、画素密度204ppi、表示色約10億7,374万色(10bit対応)、視野角が水平/垂直178°、輝度がピーク330cd/㎡、標準130cd/㎡、リフレッシュレート60Hz、応答速度は0.04ms(黒→白→黒)、遅延フレームは0.1フレームで、動画視聴に加え、動きの激しいゲーミング向けのディスプレイにも好適。インターフェイスはHDMI×2、ラインアウト(ステレオミニジャック)×1、ヘッドホン出力(ステレオミニジャック)×1を備え、1.0W×2のステレオスピーカーを内蔵する。
担当者によれば、本体に1W×2のステレオスピーカーを内蔵しているものの、基本的には別途ヘッドセットやスピーカーを接続して使用することを想定しているという |
ディスプレイの詳細設定はスタンド脇のボタンの他、付属のリモコンでも行うことができる |
筐体は、ディスプレイでは珍しいアルミダイカスト製造で、「FORIS NOVA」のために新たに作成された3種類のグレー塗装による落ち着いたトリカラーデザインを採用。本体サイズはW525.8×D139.7~285.0×H318.5~358.5mm、重量は約3.2kg、スタンドの調整は11~30°のチルトに対応する。
アルミダイカスト製造の筐体は、そのデザイン性が高く評価され「Good Design Award 2019」を受賞。また放熱性にも優れ、長時間の視聴でも安定した動作が可能だ |
スタンドは11~30°のチルト調整に対応。また側面のUSBポートは5V/2Aまで出力できる |
全世界500台の数量限定モデルで、国内では「EIZOダイレクト」を通じて11月1日より販売開始。直販価格は税抜350,000円、製品保証は3年間、無輝点保証は6ヶ月間。なお「EIZOダイレクト」では、10月27日までの早期予約特典として、製造番号1番の「FORIS NOVA」購入権が抽選で当たるキャンペーンを実施している。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
EIZO株式会社: http://www.eizo.co.jp/