2019.10.16 12:36 更新
2019.10.16 取材
Google Inc.(本社:アメリカ カリフォルニア州)は2019年10月16日、オリジナルブランドの最新世代スマートフォン「Pixel 4」「Pixel 4 XL」を国内向けに発表した。
Googleがグローバルの新製品発表イベント「Made by Google ’19」で公開した、最新世代のスマートフォンが日本市場にも投入決定。5.7インチの「Pixel 4」と、6.3インチの大画面モデル「Pixel 4 XL」が国内向けに発表された。
独自の新機能としては、かねてGoogleが搭載を予告していたモーションセンサーの「Soliレーダー」をフロントベゼルに内蔵。レーダーを用いたMotion Sense機能により、手を振るだけでページをスクロールしたり、曲送りや電話に応答するといった操作ができる。また、顔認証によるロック解除も最速を実現したという。ただし日本においては発売時にMotion Sense機能は利用できず、2020年春に提供開始を予定している。
iPhoneに似たスクエア型のカメラモジュールは、1,600万画素望遠+1,200万画素メインのデュアルカメラ仕様。昨今の多眼レンズ競争とは距離を置き、GoogleらしいAIによるソフトウェア処理で美麗なズーム撮影を行う。そのほか、録音音声をリアルタイムでテキストに起こすボイスレコーダー機能がリリースされているが、こちらもまだ日本では利用できない。
有機ELを採用するディスプレイの解像度は、「Pixel 4」がフルHD+で「Pixel 4 XL」がQHD+、リフレッシュレートは90Hz。プロセッサはSnapdragon 855を搭載し、メモリ6GB、ストレージ64GB/128GBを実装する。搭載OSは最新のAndroid 10。ボディは防水・防塵仕様で、国内版はFeliCaによるおサイフケータイ機能を備える。また、新たにeSIMへの対応も発表、物理SIMとのDSDSが可能(DSDVは非対応)になった。
10月24日(木)より発売される予定で、Googleストアにおける直販価格は「Pixel 4」の64GBモデルが税込89,980円で128GBモデルが税込103,950円、「Pixel 4 XL」の64GBモデルは税込116,600円で128GBモデルは税込128,700円。キャリア版はソフトバンクから発売される。なお、カラーバリエーションはJust Black、Clearly White、Oh So Orangeの3色展開だ。
壇上に持ち込んだトランクから「Pixel 4」を取り出す演出で端末を発表した、Google Pixel製品事業統括の埜々内ルイ氏 |
「Pixel 4」と「Pixel 4 XL」が搭載する機能として、会場でも注目を集めていたのが「Soliレーダー」を利用したMotion Sense機能だ。「航空機や潜水艦に搭載されているレーダーを小さくしたようなもの」と解説されていたように、周囲で何が起こっているかを端末が把握できるようになる。
60Hzのミリ波を用いる「Soliレーダー」が実現するMotion Sense機能。IRカメラや各種センサーに並び、小型のSoliモジュールが格納されている |
端末に手を伸ばしたことを感知して素早く顔認証を起動することで、最速の画面ロック解除を可能にしているという。ジェスチャーにより端末を汚さずに操作できる点もメリットで、料理中や運動中、あるいは運転中などに端末の簡易的な操作が可能。楽曲の操作のほか、アラームをスヌーズにしたり、タイマーを止める、着信音をサイレントにするなどのアクションに対応する。
ちなみに日本ではまだ総務省の認可を待っている状態のため、Motion Sense機能の提供は2020年春(予定)までお預けだ。
手を振ったりかざしたりすることで操作が可能。Motion Sense機能を利用して、手を振ったりなでたりしてポケモンと遊べるアプリがデモされていた |
超広角ではなく望遠重視、多眼レンズではなくソフトウェア志向。最新作の「Pixel 4」もGoogleらしいアプローチの強力なカメラを搭載している |
また、Pixelシリーズで初めてデュアルレンズ仕様になった、自慢のカメラ機能も大きなトピック。昨今のトレンドといえる広角撮影ではなく望遠を重視した仕様で、2つのカメラとソフトウェア処理で劣化の少ない望遠撮影を行う「超解像ズーム」を搭載した。
また、夜景モードが強化され、新たに星空の撮影も可能になった。長時間露光の画像を複数回撮影し合成することで、晴れた夜であれば天の川も撮影できるという。なお、既存の「Pixel 3」「Pixel 3a」でも、アップデートにより「Pixel 4」の品質に近い夜景モード撮影が利用できるとのこと。
最大8倍まで設定できる、光学・デジタルのハイブリッドズームを用いた「超解像ズーム」。高度なソフトウェア処理により、遠くの文字も読み取れる鮮明なズーム撮影ができる | 明るさと暗さの細部表現を個別に調整できる「デュアル露出補正」。夕焼けや逆光が厳しいなど、明暗調整が難しい場所でもバランスのとれた写真が撮れる |
進化した夜景モードでは、長時間露光により星空もキレイに撮影可能。スマホ最高峰の低照度撮影が楽しめる |
「Pixel 4」と合わせて発表された、Google アシスタント搭載イヤホン「Pixel Buds」。新モデルは完全ワイヤレス仕様になった |
また、Google アシスタントに対応する完全ワイヤレスイヤホン「Pixel Buds」の発売もアナウンスされた。周囲の騒音に合わせて音量を自動調整する「Adaptive Sound」を搭載、ノイズキャンセル機能付きのデュアルマイクを備えている。1回の充電で5時間、充電ケースを使えば最大24時間の再生が可能で、3部屋分離れても通信できるという繋がりやすさも特徴だ。カラーは4色で、日本でも2020年に発売される。