2019.12.10 23:00 更新
2019.12.10 取材
プレイ中の特定シチュエーションにおいて、解像度を自動調整する新機能「Radeon Boost」が追加された |
合計で20の新機能(および機能拡張)が追加された「Adrenalin 2020 Edition」だが、最も注目度の高い機能として発表されたのが「AMD Radeon Boost」だ。
具体的には、プレイ中の動きの激しいシーンを検知すると、ソフトウェアが自動で解像度を調整し、フレームレートを向上させるというもの。最小解像度を50~83.3%の範囲で調整可能で、対応タイトルでは平均23%の性能改善が期待できるという。
ハードウェアを変えることなく平均23%の性能向上が見込める。ローンチ時点ではPUBGやOverwatchなど8タイトルが対応、今後も対応タイトルは拡充されていくという |
また、「違和感を覚えることなく性能を向上させる」ことがコンセプトになっており、実際にデモプレイで確認したところでは、解像度が変わっているという感覚はなかった。プレイ感覚を劣化させることなく快適なプレイが可能になるのはもちろん、高価なグラフィックスカードがなくともある程度のゲームが遊べるという側面もある。
なお「Radeon Boost」が作動するのは、あくまでユーザーが能動的に激しいアクションを行っているシチュエーションのみ。ゆっくりマップを歩いている場合や、そもそもユーザーの動きが存在しないベンチマークテストなどでは作動しない。
会場では、「ボーダーランズ3」によるプレイデモを実施。ソフトウェアで機能を有効化し、最小解像度をスライダーで設定する |
機能が有効化されると、目立ってFPSが改善する。ただし画面が激しく動いている状況とあって、解像度が調整されたことによる違和感は感じなかった |
「Radeon Boost」以外にも、複数の新機能が追加。こちらは「ユーザーから最もリクエストが多かった」という、レトロゲームの解像感を向上させる「INTEGER DISPLAY SCALING」だ |
マウス入力時のラグを減らす「RADEON ANTI-LAG」。新たにDirectX 9世代のサポートが追加された |
ディテール表現のシャープさを向上させる「IMAGE SHARPENING」。パフォーマンスへの影響は2%以下で、新たにDirectX 11世代のゲームがサポートされた | DirectMLベースの新しいノイズリダクション機能「DIRECTML MEDIA FILTERS」。動画や写真にも適用できる |
スマホアプリ版の「AMD LINK」も新UIにリデザイン。最大の注目機能もより便利に進化している |
スマートフォン・タブレットとの連携機能「AMD LINK」も刷新された。デスクトップ版と同様に新UIが採用され、共通の感覚で操作可能になったのが外観上の大きな変更だ。
そして機能面における最大の注目要素は、昨年に追加され話題になった「Game Streaming」の機能拡張だ。スマートフォンやタブレットを使ってPCゲームのリモートプレイを可能にする機能だが、従来はPCとスマートフォンが同じネットワーク内に存在する必要があった。
ところが最新バージョンでは、その制約が撤廃。インターネット接続があれば、どこでもリモートプレイが可能になった。自宅にいなくとも、外出先から自宅のPCにアクセスし、リモートプレイが楽しめるというワケだ。また、より少ない帯域幅で通信が可能になり、ビットレートも最大50Mbpsに向上している。
なお「AMD LINK」の新バージョンは、本日12月10日よりAndroidで先行して配信が始まり、iOS版は12月23日にリリースされる予定だ。
もっと便利になった「Game Streaming」機能。自宅のWi-Fi圏内に制限されていた通信機能が改善し、インターネットに接続してさえいれば、どこからでもリモートプレイが可能に |
多少のラグはあるものの、スマホ側からのプレイ感覚で違和感はほぼ感じない。設定も容易で、会場のデモ機では「Galaxy S9」がしっかり認識されていた |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
AMD: http://www.amd.com/ja