2020.01.12 00:00 更新
2020.01.12 取材
「Optix MAG161」 |
「Optix MAG161」は、240Hzの高速リフレッシュレートを実現した15.6型のIPSモバイルゲーミングディスプレイ。解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)で、上部と左右のベゼル幅を最小限に抑えた狭額縁デザインを採用する。ハイパフォーマンスな製品ではあるが、薄さ約5mm、重量約1kgのコンパクト化を達成しており、ゲーミング用途でモバイルディスプレイを利用したいのであれば非常に有力な存在だ。
特筆すべきは、モバイルディスプレイでありながらAMDの垂直同期技術「FreeSync」にも対応する点だろう。これによりサイズこそ大きくないものの、外出先や旅行先などでもシビアなFPSタイトルに耐えうる本格的なゲーミング環境を構築できる。また接続インターフェイスがUSB Type-Cだけでなく、HDMIに対応しているのも汎用性を考えると大きなポイントだろう。
「Optix MAG161」を活用したトリプルディスプレイ環境のデモ |
iPadをLightningケーブル経由でPCに接続し、画面を共有する「Duet Display」。コーチが画面を見つつ、プレイヤーに指示を出すような用途で活用できる |
ちなみに展示ブースでは、ノートPCに「Optix MAG161」と、iPadをLightningケーブルで接続し、サブディスプレイ化する「Duet Display」を活用したトリプルディスプレイ環境のデモを実施していた。追加したディスプレイは単純に「拡張モード」や「複製モード」として使えるだけでなく、eスポーツ選手とコーチが画面を共有してトレーニングに活用する「コーチモード」のような用途でも利用できる。
デモ中の「Optix MAG161」に装着されていたスタンド。MSIのロゴが刻印されていたことから同社の独自製品と思われるが、「Optix MAG161」に付属するのか、今後別売するのかは不明だ |
価格や販売時期は未定。なお、デモに利用されていた「Optix MAG161」はMSI独自のディスプレイスタンドに設置されていたが、このスタンドが製品に付属するものなのか、別売となるのかは不明だ。
「Optix MAG342CQR」 |
「Optix MAG342CQR」は、世界初の曲率1000Rを実現した34型ウルトラワイド曲面ディスプレイだ。解像度はUWQHD(3,440×1,440ドット)、アスペクト比21:9、リフレッシュレート144Hzで、垂直同期技術「Adaptive Sync」をサポート。液晶パネルはHDR 400に対応しており、最大10.7億色表示が可能な量子ドットパネル「Super PVA Panel」を採用する。
従来、湾曲ディスプレイでもっとも高い曲率は1800だったが、「Optix MAG342CQR」はさらに高い曲率により、深い没入感や目の負担の軽減が可能だという。写真でも液晶パネルがかなりきついカーブを描いているのが伝わると思うが、実際に目の前で画面を見てみると意外にしっくりくる印象を受けた。
どの角度から見てもはっきり分かるほど画面が湾曲している。筆者の印象では、正面から画面を見た際はそれほど違和感がなかった。 |
人間の視野角はおおむね1000R前後の範囲と言われており、多くの人はこれまでの曲率1800R以上の液晶パネルよりも没入感を覚えやすいのではないかと思われる。実際にゲームをプレイできるような展示はなかったが、このあたりは製品リリース時に試してみたいところだ。
今回の「CES 2020」に合わせ、複数のメーカーから曲率1000Rのパネルを採用した製品が登場しており、今後の曲面ディスプレイでは曲率1000Rがひとつのトレンドになる可能性が大いにありそうだ。製品の発売日や価格は未定だが、市場動向を見守りたい。
文: 松野 将太
Micro-Star Int'l Co.,Ltd.(MSI): https://jp.msi.com/