2020.10.21 00:00 更新
2020.10.21 取材
自由でユニークな発想から生まれる、スタートアップの気になるガジェットをチェックする「次に来るモノ」。今回は、世界最小の探査ステーションを謳うスマート望遠鏡「Vespera」を見ていきましょう。
子供時代、なんとなく天体観測に憧れた時期がありました。しかしながら天体望遠鏡はそれなりに高価でかさばりますし、重さもある。それにフル活用してバリバリ楽しむには、そもそも宇宙や星座の知識がないといけません。スタートラインでしっかりした情熱がないと踏み出せない分野なワケですが、そんな天体観測をもっと手軽に楽しめる「Vespera」がKickstarterに登場しています。
いわく世界最小の探査ステーション。なんと15,618%もの資金を調達し、プロジェクトは大成功。すでに製品化が決まっています。いわゆるスマート望遠鏡というやつで、以前に同じメーカーが手がけた「Stellina」の廉価版。4分の1ほどの1,000ドル程度で入手できるようです。
バックパックに収まるサイズ、重さも5kg未満というコンパクトでずんぐりとした筐体。使い方は三脚にセットして、ボタンを押すだけと簡単です。スマートフォンが望遠鏡のビューワーになるワケですが、アプリで観察したい天体を選択すると、「Vespera」が自動でトラッキングしてくれるので、どれがどういった星で、どこにあるのか迷う心配はありません。
スマートフォンのGPSとAI分析による「Star Field Recognition technology」を組み合わせて、天体を探す仕組み。現時点で500以上の天体に対応しているそうです。ちなみにうっかり太陽を覗いてしまうと大変ですが、太陽フィルターを検知できない場合は太陽を指向しないとか。雨が振ってきたら自動で電源がオフになるなど、複数のスマートな機能を備えているようです。
ちなみにカメラにはフルHDの撮影が可能なソニー製のセンサーが内蔵されていて、画像解析にはRaspberry Pi Foundation共同開発のテクノロジーを用いているとのこと。最大5台のデバイスと同時接続が可能で、複数人で望遠鏡をシェアすることができます。なお、充電および給電には、MagSafeのようなマグネット式ケーブルを使うようです。
キャンペーンは今月末の10月31日20:59(日本時間/UTC+09:00)まで。1,099ドルの「Classic Edition」からバックできるほか、オプションのバッテリーや三脚、バックパックなどがセットになった「Adventurer Edition」(1,399ドル)のようなバリエーションもあるようです。
出荷はちょっと先になりますが、2021年のホリデーシーズンには間に合いそうですね。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/