2021.01.27 12:00 更新
2021.01.27 取材
自由でユニークな発想から生まれる、スタートアップの気になるガジェットをチェックする「次に来るモノ」。今回は、巻物のように展開して発電するソーラーバッテリー「MIKIELEK」を見ていきましょう。
太陽さえ出ていれば、電源がない場所でも充電できる。万が一の際も役に立つ、ソーラー充電器のことです。以前は夏限定のアイテムなイメージでしたが、近頃は季節を問わず売れているとか。店頭でも折りたためるポータブルタイプの製品をよく目にします。
しかしこの手のアイテムは、ソーラーパネルを搭載する都合上、普通は板状の見た目をしているものです。今回は、そんな常識とはちょと違う“巻物スタイル”を目指した「MIKIELEK」が主役。Kickstarterでプロジェクトが進行中で、“世界最小のソーラー充電器”を謳っています。
「MIKIELEK」は直径約42mm、全長約215mmの筒状になっていて、とてもソーラーパネルを搭載しているようには見えません。でもそれは「MIKIELEK」のソーラーパネルがスクロール(巻物)型だから。側面の取っ手を引っ張ると、スルスルと極薄のソーラーパネルが現れます。
その厚みは0.21~0.25mm。なんとお札程度しかありません。これは、一般的なシリコン型に比べ、薄膜化が可能なCIGS太陽電池を採用しているおかげです。普通のソーラーパネルは1~2.5mm程度の厚みがあるので、段違いに薄いことが分かります。巻物のように巻き取るには、このくらい薄くないといけないということですね。
もっともCIGS太陽電池は、シリコン型より変換効率が低め。「MIKIELEK」のパネルも発電量は最大6Wと控えめなため、この点は多少ネックになるでしょうか。小さく“巻物化”したトレードオフというやつです。
ちなみにソーラーパネルは(日差しに左右されるため)発電量が常に一定ではなく、スマートフォンなどを直接充電するのには向きません。大抵はモバイルバッテリーを充電するのに使うわけですが、この「MIKIELEK」には、5,200mAh(3.7V)のバッテリーが内蔵されています。巻物のようにコンパクトながら、充電対象のモバイルバッテリーも一体化しているというわけです。
それでいて重さは276gと軽量。さらにモバイルバッテリーの定番機能であるLEDライトも内蔵しており、懐中電灯のように使うこともできます。SOS信号の発光機能も備えていたりと、万が一の災害時に活躍してくれそうなアイテムです。
そんな「MIKIELEK」のキャンペーンは、2021年2月19日(日本時間/UTC+09:00)まで。早割価格の849香港ドルからバックできます。
正直なところ発電量の低さが多少気になるところですが、昨今は技術開発により、CIGS太陽電池の発電効率はシリコン型にかなり迫ってきているとか。今後はこうしたスクロール型のソーラー充電器が増えていくのかもしれません。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/