2021.04.07 00:00 更新
2021.04.07 取材
自由でユニークな発想から生まれる、スタートアップの気になるガジェットをチェックする「次に来るモノ」。今回は、膝に装着するパワードスーツ的なアシスト機器「E-Knee」を見ていきましょう。
かつてはSFやアニメの世界のアイデアだったパワードスーツですが、いまや軍事や医療分野を中心に、ある程度の実用段階にあります。今回は、そのコンセプトをもうちょっとお手軽に実現した「E-Knee」なるアイテムをKickstarterで見つけました。
いわば“膝だけパワードスーツ”といったようなシロモノで、外骨格の設計と製造を手がける中国のC-EXO Skeleton technologyが開発。進行中のプロジェクトは現時点で目標額の420%を調達しており、すでに製品化は決まっています。さて、いったいどのように使うアイテムなんでしょうか。
装着方法は、一般的な膝用サポーターと変わりません。しかし仰々しいチューブなどのギミックで分かるように、「E-Knee」はハイテクな機構の集合体。リアルタイムにユーザーの動きを読み取って圧力を調整し、膝にかかる負担を減らしてくれるというアイテムなんです。
「E-Knee」にはジャイロスコープとARMチップによる高性能コントローラ、マイクロコンプレッサー、5つのマイクロエアバッグを搭載。ジャイロスコープとARMチップが強力な負荷を検出すると、コンプレッサーが自動でエアバッグを収縮させるという仕組み。これら一連の動きをリアルタイムに行っているわけです。
ちなみに人によって膝周りのサイズは異なりますが、その調整も「E-Knee」におまかせ。装着すると自動でサイズを測定し加圧、ピッタリとフィットするようにカスタマイズしてくれるんです。測定データは保存され、次回装着時はフィッティング済みの状態で使用可能。実にスマートですね。
また、エアバッグの加圧はアクティビティのレベルに応じて最適に調整されます。座ったりジョギングしたりといった低強度モードでは緩め、バスケットボールやテニスなど激しいスポーツ時には高強度モードで作動。運動強度の変化を検出すると3秒以内にモードチェンジ、エアバッグに最適な圧力が加えられます。
なお、「E-Knee」は内蔵バッテリーで動作し、フル充電で最大35時間程度使用できるとか。ガッツリ運動する人でも数日間は充電不要でしょう。両膝用のコントローラにバッテリーが内蔵されていて、コントローラ同士がマグネット合体するため充電ケーブルは1本でOK。Qiによるワイヤレス充電も利用できるようです。
そんな「E-Knee」のキャンペーンは、2021年5月2日(日)22:49(日本時間/UTC+09:00)まで。設定されている先割の支援額は1,001香港ドル(約14,000円前後)から、通常販売価格の約半値からバックできるようですね。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/