2021.07.07 09:00 更新
2021.07.07 取材
自由でユニークな発想から生まれる、スタートアップの気になるガジェットをチェックする「次に来るモノ」。今回は、スワイプすると老眼鏡に早変わりするハイテクなサングラス「32°N」を見ていきましょう。
見た目はクラシカルなデザインのサングラス。でもこの「32°N」なるアイテムは、任意でレンズの特性を切り替えられるという驚きの機能を持っているようです。
イスラエルのスタートアップ企業・Deep Opticsが手がけた製品で、最初にデモ機を開発してから、6年ほどをかけて製品化にこぎつけたのだとか。Kickstarterにおける注目度は高く、プロジェクト開始からわずか12時間で目標達成。現時点で目標額の1,000%に迫る資金を調達する成功を収めています。
さて実際に「32°N」はどう使うのかというと、何もしなければ普通のサングラス。ところがテンプル部分をなでると、なんと老眼鏡に早変わりするんです。人は歳を取ると近くの物が見えにくくなりますが、特にサングラスをかけている状態からいちいち老眼鏡に付け替えるのは面倒でしょう。「32°N」ならその手間がいらないわけです。
これは「32°N」が、レンズ倍率を動的に変化させることができる“アクティブレンズ”を搭載しているため。テンプルに内蔵されたスワイプセンサーに触れることで、中心部にあるアクティブエリアの焦点距離が老眼鏡仕様(リーディングモード)に変わるという仕掛けです。
さらにこの「32°N」がハイテクなのは、Bluetoothでスマートフォンと連携できるところ。スマートフォンのアプリではレンズの倍率を変更できるため、自分の目に最適な設定に調整が可能です。設定内容は本体に保存されるので、頻繁にアプリを操作する必要はありません。
ちなみにレンズには倍率を変化させるための特殊な層が含まれているらしいですが、設定をアクティブにして老眼鏡仕様にした際のみバッテリーを消費する仕組み。通常の利用なら丸一日充電せずに使えるそうなので、実用面の問題はないでしょう。重さも50gと、サングラスとしては普通です。
さてそんな「32°N」のキャンペーンは、来週の2021年7月16日1:04(日本時間/UTC+09:00)まで。229ドルから支援を受け付けており、バッカーには2022年4月に出荷される見込みです。なおDeep Opticsによれば、サングラス以外に透明レンズのバリエーションも構想中とのこと。個人的にまだ老眼鏡のお世話になる年齢ではないですが、いざその段になったら便利さが身にしみそうな気がします。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/