2021.09.01 08:00 更新
2021.09.01 取材
自由でユニークな発想から生まれる、スタートアップの気になるガジェットをチェックする「次に来るモノ」。今回は、楕円形のボディにまん丸なディスプレイを搭載した異色のスマートフォン「Cyrcle Phone 2.0」を見ていきましょう。
細部のデザインが異なるとは言え、スマートフォンは総じて”四角いディスプレイがほぼ全面を覆う板状の端末”がほとんどです。それだけにフォルダブル端末のような例外を除けば、デザイン状の明確な差別化が難しいデバイスと言えるかもしれません。
ところがそうした常識とはまったく別の路線を追求した、まん丸なディスプレイを搭載した「Cyrcle Phone 2.0(Cyrcle Phone 4G LTE)」をKickstarterで見つけました。米シアトルのスタートアップdTOORが手がけたデバイスで、すでに目標額を達成してプロジェクトは成功。あとは製品化を待つばかりです。
そもそもこの端末は、2016年にdTOORがクラウドファンディングを成功させた、2Gのフィーチャーフォン「Cyrcle Phone」がルーツ。それが4G LTEスマートフォンに生まれ変わったのが「Cyrcle Phone 2.0」というわけで、実は昨年のCES 2020でプロトタイプが発表されていました。
ボディはタマゴのような楕円形で、その中に3.45インチ(直径87.6mm)のまん丸なIPS液晶(800×800ドット)を搭載しています。2Gモデルは1.54インチだったので、画面はかなり大きくなりました。SoCはQualcomm Snapdragon、メモリ3GB、ストレージ32GB eMMCを内蔵していて、OSはAndroid 10です。
さすがUIは円形スクリーンに完全に最適化されていて、日常的な操作に違和感はありません。ただし一般的なアプリを起動すると、円の四隅が見切れてしまう模様。それはWindowsのフォルダのようにアプリケーションウインドウのサイズを変更できる「Freeform Mode」で解決できるようで、一応見えない部分ができてしまうことはないようです。
もっとも、いちいちアプリのサイズを変更するのはやや面倒。自分が日常的に使うアプリがスクリーン形状にどの程度最適化されているか、という点が使い勝手に影響しそうです。まぁ個性的な端末を使おうというのが第一義だと思うので、多少の不自由を楽しむくらいがちょうどいいのかもしれません。
そのほか、「Cyrcle Phone 2.0」には1,300万画素のインカメラとリアカメラ、温度センサー、NFCなどを搭載。インターフェイスはUSB Type-CとmicroUSB、microSDスロットを備えていて、nanoSIMのデュアルSIMもサポートしています。また、イヤホンジャックが2つ付いているので、二人で音楽を聴いたりといった往年のCDプレイヤーのような使い方もできるようです。
なお、トウモロコシベースのPLA樹脂を採用したボディは、外形寸法が幅130mm、奥行き103mm、厚み22mm。重さは147gで、円形のためポケットにもスルリと収まるようですね。
さて、そんな「Cyrcle Phone 2.0」のキャンペーンは、2021年10月9日17:10(日本時間/UTC+09:00)まで。出資額は699ドルからで、日本向けネットワーク仕様も選択できるようになっています。出荷は2022年9月と、約1年後。スペックや使い勝手はさておき、他にはないスマートフォンを使ってみたい人にはピッタリな端末ですね。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
dTOOR: https://www.cyrclephone.com/
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/