2021.10.20 08:00 更新
2021.10.20 取材
自由でユニークな発想から生まれる、スタートアップの気になるガジェットをチェックする「次に来るモノ」。今回は、あっという間に展開してモバイルディスプレイのように使えるポータブルプロジェクター「Splay」を見ていきましょう。
最近はモバイルディスプレイのリリースもよく舞い込んでくるようになり、昔に比べてだいぶ選択肢が増えたなぁという気がしています。かつては画面サイズが小さすぎて微妙だったり重かったり、そもそも電源が必要で使える場所が限られるなど、使い勝手に難のある場合がほとんどでした。そういった難点が解消されて、いまは実用的な製品が多く出回っています。
そんな具合に成熟した感のあったモバイルディスプレイの分野に、ちょっと変わり種のニューカマーがやってきました。いまKickstarterにてプロジェクトが進行している「Splay」は、なんとモバイルディスプレイとして使えるポータブルプロジェクター。すでに目標額の約2,800%もの資金を調達し、製品化が決まっています。モバイルディスプレイなのかプロジェクターなのか、いったいどういうアイテムなんだい?と気になりますよね。
さてその「Splay」ですが、携帯時はポーチに入るくらいの大きさしかありません。重さはわずか2.5ポンド(約1.1kg)。その正体は小型・軽量の超短焦点プロジェクターで、本体を包んでいるカバーをバサッと傘のように開くと、なんと24.5型のモバイルディスプレイに。HDMIで映像ソースを接続して電源を入れれば、フルHD解像度の映像が投影されるという仕組みです。パッと見では、外装がちょっと変わったモバイル液晶にしか見えませんね。
モバイルディスプレイとしては文句なしに最大級の画面サイズで、明るさも最大800nitとかなりのもの。プロジェクターにはステレオスピーカーが内蔵されていて、さらに最大4時間のバッテリー駆動も可能です。なかなか使い勝手は良さそうですね。
この便利さを可能にしているのが、平らなプロジェクター・スクリーンを数秒で展開可能な格納式のアーム機構。傘のようにバサッと開くカバーに使われている骨組みです。特許取得済みの技術で、他のプロジェクターのようにスクリーンをセットアップして位置合わせをする必要がありません。
そしてスクリーンに使われているのは、主要なナノ材料研究センターとコラボした「何度折りたたんでもシワにならない」素材。これまた特許取得済みの素材で、おかげでキレイで違和感のない映像が投影できるというわけです。
また、超短焦点プロジェクターとしても優秀です。重さ5ポンド(約2.3kg)以下の他のポータブルプロジェクターに比べて、投射距離は約1/3ほど。そのおかげで、あの狭いカバー内部で映像を投影、モバイルディスプレイのように使えるわけです。
なお、モバイルディスプレイとして使う「Display Mode」以外に、単体のポータブルプロジェクターとして使う「Projector Mode」にも対応。その場合は最大80型サイズの大画面を投影可能で、自動の台形補正機能も備えています。2-in-1で使えるアイテムということですね。
さて、そんな「Splay」のキャンペーンは、2021年11月5日0:00(日本時間/UTC+09:00)まで。アーリーバードの出資額は674ドルから。一般的な超短焦点プロジェクターに比べて格段に安価でありつつ、重さも半分程度。さらに3ポンド(約1.4kg)以下の一般的なポータブル液晶の2~4倍大画面という、いい具合の特徴を備えたアイテムです。持ち運んでバサッとやって、どんな画面が映るのか使ってみたいですね。
文: 編集部 絵踏 一
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/