2021.10.28 00:00 更新
2021.10.28 取材
自由でユニークな発想から生まれる、スタートアップの気になるガジェットをチェックする「次に来るモノ」。今回は、小説で時間を教えてくれるステキな時計「Author Clock」を見ていきましょう。
言わずもがな時計は時刻を知るための道具なのですが、その機能以上に人を惹きつける魅力をもったプロダクトだと思います。エルミタ読者にも、色んな時計へのこだわりを持った人がたくさんいるはず。それでも今回取り上げる「Author Clock」のアプローチには、ちょっと驚かされると思います。
ただいまKickstarterでキャンペーンが進行中で、わずか36時間で30万ドルの資金を調達。現時点では目標額の3,400%を達成するなど、大きな注目を集めています。そもそもパッと見ではまったく時計に見えないのですが、いったいどういう仕組みになっているんでしょうか。
「Author Clock」をそのまま訳すと「作家時計」という意味。これはこの時計の特徴をうまく表現した名前で、なんと「6世紀の時代にまたがる2,000以上の作家による小説の一節から、時刻に言及した一節を引用する」という方法で時刻を教えてくれるんです。
なるほどよく見てみると、小説の一節の中に時刻に触れる一文があって、そこが分かりやすく強調表示されています。いや、単に時刻を知るという意味では分かりにくい部類に入るんですけど(笑)、なんだか時計を見るのが楽しみになりそうですね。
ちなみに引用されている文を見てみると、ヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」やシェークスピアの「ハムレット」、ジュール・ベルヌの「月世界旅行」などなど。誰でも聞いたことのありそうな文学作品が並んでいます。しかもちゃんと1分刻みで文章が用意されているというからビックリですよ。
なお「Author Clock」のディスプレイには、紙のような感覚で読める電子ペーパーが使われていて、視野角もだいぶ広め。バックライトも内蔵されているようで、暗い場所や夜でも(時計の表現としてはちょっと変ですが)しっかり読めます。
そしてサイズは、デスクやサイドテーブルに置くのにピッタリな4インチの“Small”と、壁掛けも可能な7.5インチの“Large”をラインナップ。木製のハウジングと真鍮製のリュウズを配した基本的なデザインは同じです。
電源は内蔵バッテリーの充電で動作するUSB充電式。“Small”は3週間に1回、“Large”は2ヶ月に1回の充電でOKとのこと。それほど不自由さは感じないと思います。
さてそんな「Author Clock」のキャンペーンには、“Small”が99ドルから、“Large”は199ドルから超早割のプランが用意されていましたが・・・現時点でそのほとんどが締め切られています。そもそも買えるかどうか怪しい情勢なことは理解しつつ、キャンペーン期間は2021年11月12日16:59(日本時間/UTC+09:00)まで。出荷は2022年4月を予定しているそうです。
なお、個人的にすごくこのコンセプトが気に入ったのですが、英文オンリーはしんどいのでぜひ日本語版も作ってくれませんか。よろしくお願いします。
文: 編集部 絵踏 一
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/