2021.11.03 13:38 更新
2021.11.03 取材
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社(本社:東京都台東区)は、11月4日(金)22時に販売解禁されるIntel Z690チップセット搭載マザーボードの発表会を開催。第12世代Intel Coreプロセッサに対応する最新製品をチェックしておこう。
MSIから正式発表されたIntel Z690チップセット搭載マザーボード。ラインナップは従来のIntel Z590世代を踏襲。ハイエンド「MEG」シリーズ、ゲーミング向けアッパーミドル「MPG」シリーズ、ゲーミング向けミドル「MAG」シリーズ、スタンダード「PRO」シリーズで構成される。ワールドワイドでは18モデルが発表されているが、国内市場向けにはその中から厳選したモデルが投入されていく予定だ。ちなみにメモリはDDR5とDDR4いずれにも対応するが、型番末尾に“DDR4”を付けることで判別できるようになっている。
国内で流通するのは、この中の一部モデル。またクリエイターモデルは現時点で開発中とのこと |
これまでの2倍の帯域幅を備えたPCI-Express5.0や、定格で1.5倍高速化されたDDR5メモリへの対応など、大幅に機能が向上した第12世代Intel Coreプロセッサ。これに合わせ、MSIのZ690シリーズマザーボードも要所でグレードアップされている。
中でも注目は第12世代Intel Coreプロセッサの性能を引き出す強力な電源回路だ。「MEG Z690 ACE」や「MEG Z690 UNIFY」などのハイエンドモデルでは、1フェーズあたりの対応アンペア数を90Aから105Aまで引き上げたDirect 19フェーズ 105A SPSによる電源回路を採用。さらに「PRO」シリーズなどのスタンダードモデルでも14+1+1フェーズ+55A SPS電源回路を搭載するため、オーバークロック動作をしなければCore i9のような上位のCPUにも十分対応する。
また、ATXモデル全てに2オンス銅箔層のサーバーグレードPCBを使用。6層~12層基板が採用されているので高負荷時でも安定した動作を実現する。
もうひとつ注目点として挙げられるのが、拡張スロットやメモリスロットが従来のDIP実装からSMTプロセスによる平面実装に変更されているところだ。これにより、配線の距離を短く信号線を減らすことでノイズが低減。DDR5やPCI-Express5.0の採用により広がった帯域でもデータのロスがない。
SMTプロセスに変更されているのは基板裏面を見ると一目瞭然。拡張スロットの背面に、いわゆるブツブツとした突起は無くまっさらとなっている |
冷却面では、M.2 Shield Frozrを全面改良。より放熱効果を高めるため、ヒートシンク+サーマルパッドを表面と裏面の両方に装備。SSDを挟みこむことで強力に冷却し、安定した転送速度が発揮できる。その他一部モデルでは、VRMからI/O部分まで覆うアルミニウム製拡張ヒートシンクや、VRMヒートシンク間を接続するヒートパイプが採用されている。
機能面では、全てのモデルで背面にUSB3.2 Gen.2×2 Type-Cポート、フロントピンヘッダにUSB3.2 Gen.2×2Cポートを備え、利便性が向上。最近のPCケースでは標準装備となりつつあるフロントType-Cポートだが、MSIならマザーボードのグレードを気にせず使える。
自作に役立つ機能にも触れておこう。ネジを使用せずドライバーレスでSSDの取り付けができる「EZ M.2 CLIP」とヒートシンクのネジ落下による紛失を防止する「NON-LOOSENING SCREWS」はどちらも全モデルに採用される。
便利な「EZ M.2 CLIP」と「NON-LOOSENING SCREWS」。M.2 SSDの固定に使用するネジを紛失する心配は無い |
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