2021.12.01 08:00 更新
2021.12.01 取材
自由でユニークな発想から生まれる、スタートアップの気になるガジェットをチェックする「次に来るモノ」。今回は、耳で聴くだけでなく目で音楽を見ることができるスピーカー「Van der Waals」を見ていきましょう。
何かが蠢いている・・・と、ついつい眺めてしまいそうなスピーカー。いわく“音楽を見ることができる”という、ちょっと不思議な雰囲気の「Van der Waals」が今回の主役です。
先週半ばにKickstarterでキャンペーンがスタートするや、24時間待たずに目標達成。早くも目標金額の500%近くを達成するなど、多くのバッカーたちの興味を引いているようです。スピーカーのスタートアップを探している時に見つけたのですが、音よりも“中心で動いている何か”が俄然気になってしまいました。
球状のスピーカーの中心で蠢いているモノの正体は、磁性を帯びた流体、そのまま“磁性流体”と呼ばれるやつです。かつてNASAによって開発されたことでも知られている、磁石に吸い寄せられる性質をもった流体。それが音楽に反応して動くことで、音情報を視覚化するビジュアライザーとして機能する仕組みになっています。
スピーカーの大きさは9インチと、それなりの大きさ。ユニット内部には電磁石が内蔵されていて、それが独自のアルゴリズムで磁性流体を変化させているのだとか。音の周波数や音量に応じて磁性流体を動かしているらしく、ダイナミックな変化が楽しめます。
ちなみに「Van der Waals」という製品名は、気体の状態方程式を発見した物理学者のヨハネス・ファン・デル・ワールスへのオマージュとのこと。液体のようでいてそうでないような、不思議な動きのビジュアライザーにはピッタリなネーミングかもしれません。
音を聴くスピーカーとしては、15W×2の低中域スピーカーと15W×2のツィーターで構成された、4スピーカーユニットを搭載。Texas InstrumentsのアンプIC、QualcommのBluetoothチップを内蔵した、Bluetooth 5.1対応のワイヤレススピーカーです。高音質コーデックのaptXおよびaptX HDをサポート、しっかり音質にも期待できそうな設計ですね。
バッテリーは積んでおらず、電源はType-CによるUSB給電。しっかり中身が詰まっているせいか、重さは5kgあります。なお、2つの「Van der Waals」を組み合わせれば、ステレオスピーカーとして使うこともできるそうですよ。
さて、そんな「Van der Waals」のキャンペーンは、2022年1月8日2:00(日本時間/UTC+09:00)まで。出資額は単体349ドル、ペアで679ドルからの早割が用意されています。形を変えたり分裂したり合体したり・・・個人的には、音楽より磁性流体の変わり身の方が気になってしまいそう。どのジャンルの音楽が一番面白く動かせるのか、そういうアプローチで楽しむのもアリな気がします。
文: 編集部 絵踏 一
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/