2022.02.16 00:00 更新
2022.02.16 取材
今回は、ちょっと久しぶりなキーボードのカテゴリから、気になるスタートアップをチェックしていきます。ただいまKickstarterでプロジェクトが進行中の「Glove80」というキーボード。グイッと湾曲したこのデザインは、エルゴ好きならピンとくるであろうKinesisキーボードのスタイルです。しかも左右完全分離のワイヤレスでなおかつロープロ仕様という、琴線に触れる要素モリモリな欲張り構成なわけですよ。
ちなみにプロジェクトとしては、開始から28時間でマネー成立。割引率が高いスーパーアーリーバードは1分以内、250台のアーリーバードは12時間以内に完売したとか。達成率がそれほど超過しない場合でも、キーボード系は熱心なファンが素早くバックしてプロジェクト成立に至るパターンが多いような気がします。
まずは「Glove80」最大の特徴でもある、Kinesisスタイルのレイアウトから見ていきましょう。主要キーは一般的なキーボードのような千鳥配列ではなく、各キーを縦方向にストレート配置。グイッとお椀のような湾曲した構造も相まって、ホームポジションからすべてのキーに等間隔でアクセスできるようになっています。手を横方向にほぼ動かすことなく打てるわけですね。
そして中央寄りの親指エリアには、EnterやShift、Ctrl、Escキーなど、使用頻度の高いキーや修飾キーを配置。通常のキーボードでは出番が限られる親指を、有効に活用できるレイアウトになっています。
そして「Glove80」は完全ワイヤレスなので、左右ユニットの設置場所が自由。手前のパームレストにどっしり手のひらを預けつつ、肩幅をくつろげたまま入力できるのは大きなメリットでしょう。
ちなみにキースイッチは、ロープロファイル仕様のKailh Choc v1スイッチを採用。タクタイルタイプの茶軸とリニアタイプの赤軸、Clickyタイプの白軸からチョイスできます。
押下圧は45~50gf、ストローク3mm(アクチュエーションは1.5mm)のスイッチで、キーキャップも低背仕様。“疲れ知らずでより長く、より速く入力できる”と謳われています。なお、最も低い位置にあるキーからデスクまでの距離は、わずか20mmだそうです。
接続インターフェイスはBluetooth 5.2 LEで、Bluetoothデバイス×4とUSBデバイス×1の同時接続に対応。接続デバイスはワンタッチで切り替えが可能です。
外形寸法は片側ユニットで幅185mm、奥行き168mm、高さ59mm。同様のスタイルのエルゴキーボードが極めて大型な点を考慮すれば、驚くほどのコンパクト設計と言えます。あまり現実的ではないですが、一応“バッグに入れての持ち運びも容易”とされていますね。ひょっとしてスタバでドヤることまで想定されているんでしょうか。
ちなみに各キーの機能や配列はブラウザベースのコンフィギュレータでカスタマイズが可能。さらにキーキャップはすべて同一形状になっているので、変更したキー配置に応じて入れ替えることもできます。ただし記号キーのキャップは融通がきかないため、必要ならアドオンのオプションキーキャップセットを購入しましょう。
そんな「Glove80」のプロジェクトは、2022年2月25日1:59(日本時間/UTC+09:00)まで。すでにアーリーバードのプランはほとんど締め切られてるのですが、現在のところ20%オフの469NZドル(36,000円前後)からプランが選択できるようです。
なお、全キーにアドレサブルRGB LEDを内蔵した“Gamer Edition”もアドオンで選択可能とのこと。アドオンで多彩なバリエーションに対応してくれるのも、キーボード系プロジェクトならではですね。
文: 編集部 絵踏 一
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/