2022.07.05 19:24 更新
2022.07.05 取材
「コミックとらのあな」を展開する株式会社虎の穴は2022年7月5日、秋葉原地区の直営店舗「とらのあな 秋葉原店A」など、主要5店舗の閉店を発表した。事業構造転換による店舗事業縮小の影響で、2022年8月31日(水)をもって閉店する。
今回8月末での閉店が発表されたのは、秋葉原店Aのほか新宿店、千葉店、なんば店A、梅田店の5店舗。昨年より再出店を模索していた名古屋店も出店を断念するという。旗艦店としては、主に女性向け同人誌を扱う池袋店が引き続き営業を継続する。
ちなみに「コミックとらのあな」創業の地として知られている秋葉原地区では、2021年1月に秋葉原店C、同年4月に秋葉原店Bが閉店しており、秋葉原店Aの閉店をもって全店舗が撤退することになる。
「コミックとらのあな」と言えば、オタク系の漫画書籍や同人誌などをワンストップで提供する“オタクの聖地”として、長く親しまれてきたショップ。エルミタが取材する近隣のパーツショップでも「アキバを象徴するショップの一つだと思っていたので、ショックが大きい」といった声が多く聞かれた。
株式会社虎の穴によると、店舗事業の縮小は「2020年より店舗事業はコロナ禍の影響を大きく受けており、現時点で回復の兆しが見えていない」という理由から。ただし同社は注力しているオンラインサービスやクリエイター支援サービスの事業成長により、この1年で創業以来初めて流通総額が全体で300億円を突破するなど、企業としての業績は好調を維持している。
しかし同様に近隣ショップでは「アニメ・マンガは大好きだが、アキバで働いていても近頃はネット利用ばかり。思い返せばリアル店舗で買ったのはだいぶ前のような気がする」という声もあり、そうした傾向は「同人誌販売を含め、オンラインシフトが進んでいる」という虎の穴の分析通りとも言える。
取材時点では、まだ閉店に関する告知などは掲示されていなかった |
今後の「コミックとらのあな」については、直営店の規模を縮小しつつ、「Shop in shop(出張所)」や「Pop-up Store(イベント出店)」などのin shop事業を推進。現在の市場に適した形態の店舗への置き換えを進めていくという。また、秋葉原においてはイラスト展が開催可能なギャラリー型店舗の出展を準備していくほか、再出店の協議も続けていくとのこと。情勢次第では、形を変えた秋葉原地区における新店舗の出店があるかもしれない。
【お知らせ】
■とらのあな 店舗閉店に関してhttps://t.co/0efDmynJSQ— とらのあな【公式】 (@toranoana_pr) July 5, 2022
【アキバ取材班B】先日、8月末での閉店がアナウンスされたとらのあな秋葉原店A。時節柄コミュニケーションノートが撤去されているのが残念https://t.co/bs9SXV2R4E pic.twitter.com/pF76UpciwB
— エルミタージュ秋葉原編集部 (@hermita_akiba) July 7, 2022
文: 編集部 絵踏 一/取材:Tawashi
コミックとらのあな: https://www.toranoana.jp/